現在『アリス・イン・ワンダーランド』が大ヒット公開中のティム・バートン監督がプロデュースを務めた話題作『9(ナイン)9番目の奇妙な人形』 が、5月8日(土)に公開される。
本作は、人類滅亡後の世界に生まれた9体の麻の人形が、機械獣と戦いながら自分たちがなんのために生まれたかを探っていくファンタジー。少し不気味 ながら愛らしくもあるキャラクターやダークな世界観は、バートンの世界観にも通じているもの。だがその一方で、あちらこちらのシーンで、たくさんの映画へ のオマージュが捧げられているのも見逃せない。
たとえば、背中に1から9までの番号をつけた9体のキャラクター。大きな体に愛嬌のある表情が印象的な“8”は、『ゴーストバスターズ』(84)の マシュマロマンを思わせるし、“3・4”の双子は『スター・ウォーズ』シリーズ(78~05)のR2D2と同じく、体の中にプロジェクターを完備してい る。さらに、人形たちがヘルメットに隠れて逃げるシーンでは、あのスタンリー・キューブリックの傑作『フルメタル・ジャケット』(87)を引用している し、機械獣に魂を吸い取られるシーンは『ポルターガイスト』(82)というマニアックぶり。
ほかにも『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の氷の惑星のマシンをなぞらえたものや、『猿の惑星』(68)のラストシーンをイメージした、自由の女神 ならぬキューピー人形、『エイリアン2』(86)のエイリアンが人形たちを襲う機械獣に模されていたり、コウモリのマシンは『バットマン』(89)からな ど、数々の名作アイテムが盛り込まれていたりとトリビア満載だ。
相当の映画好きと思しき監督は、新鋭シェーン・アッカー。UCLAの卒業制作作品がアカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされ、これを見た バートン監督から「僕が観た中でもっとも驚異的な11分間だった」といわしめ、長編化にこぎつけたのがこの作品。ふんだんに名作へのオマージュを盛り込 み、映画への愛を示したわけだ。さらに影響された作品として監督があげたのは、『AKIRA』(88)をはじめ、『ロスト・チルドレン』(96)、『未知 との遭遇』(77)、『北北西に進路を取れ』(59)、『28日後…』(02)、『ウォーターシップダウンのうさぎたち』(79)など。1本でこれだけの 名シーンが楽しめるなんて、ある意味贅沢な映画! さあ、あなたはどれだけわかる?【トライワークス】
『9(ナイン)9番目の奇妙な人形』のオリジナル短編を1日限定で同時上映
日時:5月9日(日)すべての上映回
場所:新宿ピカデリー
※通常料金での上映となります
>荒廃した世界には機械獣がうようよ。
元ネタは『エイリアン2』のエイリアンだが、本家よりかなりキュート!?
とキャプションには書かれておりますが、片目だけ赤いライトが点灯しているところは「ターミネーター」をも彷彿とさせますね。「エイリアン2」もキャメロン監督だけどね。
さて、この「9」で主人公9(ナイン)の声をアテてるのがイライジャ・ウッドなのでございます。言わずとしれた「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公、フロドですわね。どんな映画になっているのか楽しみです♪