[eiga.com 映画ニュース]
国内外で高い評価、人気を誇る塚本晋也 監督と、「AKIRA 」で知られる漫画家・映画監督の大友克洋 の初対談が実現した。
今回の対談は、塚本 監督の最新作「鉄男 THE BULLUT MAN」の公開を記念して行われた。2人はこれまでも面識はあったというが、正式な対面は初めて。しかし、互いに同世代で映画製作という共通項をもつた め、会話は終始和やかに盛り上がった。
大友は、対談のなかで常に独自の手法で映画を作り続ける塚本監督に、「撮影はシナリオどおりに撮っ ていく感じですか?」と質問。塚本監督が「全体の撮影を考えるんじゃなくて、次に撮るシーンのことだけ考えて、それが終わったら次のシーンという感じで す。で、真ん中の銃撃シーンで一度息絶えて……(笑)」と答え、大友を「サバイバルみたいな撮影なんですね」と驚かせていた。
また、両者 に共通するのは、「鉄男 」と「鉄雄」。前者は塚本監督が 1989年に発表した代表作であり、後者は大友が82年から連載した漫画「AKIRA 」(88年に映画化)の主要登場人物だ。名前が似ているほ か、ともに肉体が金属に覆われるという点でも共通しており、長らくファンの間では関連性を噂する声が出ている。塚本監督は、「僕は自分の作品を語るとき、 『AKIRA 』のことを勝手にお兄さんって呼んでいるんです よ。漫画に初めて衝撃を受けたんです」と告白するなど、2人が初めて言及している点も見逃せない。
2人の会話は映画にとどまらず、80年 代以降のサブカルチャーやエンタテインメントを総括するかのごとく、漫画、アニメ、SF、サイバーパンクへと多岐にわたった。この対談の模様は、5月10 日発売の「週刊ヤングマガジン」、5月12日発売の「月刊ヤングマガジン」で初の2誌連合掲載される。
「鉄男 THE BULLUT MAN」はアスミック・エースの配給で、5月22日より全国で公開。