産
経新聞
このところ、芸能人が運転する車の事故報道が目立つ。いずれも軽微な事故ばかりだが、テレビ番組の収録に支障が出ることもしばしばで、芸能事務所も困り果 てているというのが実情だ。いったいなぜ、これほどまでに増えているのだろう。その裏事情を探ってみた。
[フォト]「ゲゲゲの女房」の向井理が都内で追突事故
NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」に出演している若手俳優の向井理が東京都世田谷区内で追突事故を起こしたのは、4月22日のことだった。「ゲ ゲゲの女房」のロケに向かう途中で、青信号になったため発進したところ、前の車に追突したという。
幸いにも大事故には至らなかったが、所属事務所ではきつくお灸(きゅう)を据えたという。この事務所では、これまで撮影現場への行き帰りには俳優らの自 主性に任せてきた。「いつも緊張感を持って運転するよう、口酸っぱく言ってきたのですが…。送迎方法を考え直すのが必要かもしれない」と反省を口にする。
ほかにも人気アイドルグループ「嵐」の松本潤や女優の相武紗季ら、芸能人が事故で報道されるケースが後を絶たない。今年に入ってから報道された芸能人が らみの主な交通事故は表の通り。昨年10月には、俳優の哀川翔が運転していた車と歌手のaiko運転の車が接触事故を起こすという、極めて珍しい芸能人同 士の事故も起きている。
いずれも一般人なら公表されないような事故だが、テレビ局などがスクープの形で報じて表に出てくる場合が多いという。
タレントらを抱える事務所側は気が気ではない。ある芸能事務所は、タレントに運転免許を取らせても、「渋滞に巻き込まれる心配がある」などとして、ロケ 現場への集合には電車などを使うよう指導している。
それでも「マネジャーの数が少なく、何人ものタレントの面倒を一度に見るのは困難。現場を離れると目も行き届かず、『じゃあいいよ』と運転を認めがち」 と、この事務所の社長はタレント管理の難しさを打ち明ける。「男女交際といったプライバシーをマスコミにかぎつけられたくなくて、テレビ局の駐車場に直 接、車で乗り入れたいというタレント側の心理も背景にはあるようだ」
テレビ局も制作費の削減で送迎用の車を手配できないケースが増えており、その結果、撮影が深夜に及ぶと、タレントが始発電車を待って帰宅するといった事 態も生じているという。
一方、芸能評論家の肥留間正明さんは、事故の目撃者の存在に着目する。「携帯電話などですぐに通報されたり、ツイッターやブログで書かれたりする。ごま かしが効かなくなったこともあり、多発しているように見えているのでは」と分析する。
「付き人もいて、車の送迎が当たり前だったスターが今や不在となり、実力のないタレントが芸能界に多くなっていることの表れ」と指摘するのは、芸能リ ポーターの梨元勝さんだ。
「若手俳優らが携帯電話で話やメールをしながら運転し、事故につながっていることもあるのではないか。芸能人は交通安全週間のイベントの顔になることも あるだけに、車はときに凶器になるとの自覚を持って安全運転してほしい」と訴えている。
このところ、芸能人が運転する車の事故報道が目立つ。いずれも軽微な事故ばかりだが、テレビ番組の収録に支障が出ることもしばしばで、芸能事務所も困り果 てているというのが実情だ。いったいなぜ、これほどまでに増えているのだろう。その裏事情を探ってみた。
[フォト]「ゲゲゲの女房」の向井理が都内で追突事故
NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」に出演している若手俳優の向井理が東京都世田谷区内で追突事故を起こしたのは、4月22日のことだった。「ゲ ゲゲの女房」のロケに向かう途中で、青信号になったため発進したところ、前の車に追突したという。
幸いにも大事故には至らなかったが、所属事務所ではきつくお灸(きゅう)を据えたという。この事務所では、これまで撮影現場への行き帰りには俳優らの自 主性に任せてきた。「いつも緊張感を持って運転するよう、口酸っぱく言ってきたのですが…。送迎方法を考え直すのが必要かもしれない」と反省を口にする。
ほかにも人気アイドルグループ「嵐」の松本潤や女優の相武紗季ら、芸能人が事故で報道されるケースが後を絶たない。今年に入ってから報道された芸能人が らみの主な交通事故は表の通り。昨年10月には、俳優の哀川翔が運転していた車と歌手のaiko運転の車が接触事故を起こすという、極めて珍しい芸能人同 士の事故も起きている。
いずれも一般人なら公表されないような事故だが、テレビ局などがスクープの形で報じて表に出てくる場合が多いという。
タレントらを抱える事務所側は気が気ではない。ある芸能事務所は、タレントに運転免許を取らせても、「渋滞に巻き込まれる心配がある」などとして、ロケ 現場への集合には電車などを使うよう指導している。
それでも「マネジャーの数が少なく、何人ものタレントの面倒を一度に見るのは困難。現場を離れると目も行き届かず、『じゃあいいよ』と運転を認めがち」 と、この事務所の社長はタレント管理の難しさを打ち明ける。「男女交際といったプライバシーをマスコミにかぎつけられたくなくて、テレビ局の駐車場に直 接、車で乗り入れたいというタレント側の心理も背景にはあるようだ」
テレビ局も制作費の削減で送迎用の車を手配できないケースが増えており、その結果、撮影が深夜に及ぶと、タレントが始発電車を待って帰宅するといった事 態も生じているという。
一方、芸能評論家の肥留間正明さんは、事故の目撃者の存在に着目する。「携帯電話などですぐに通報されたり、ツイッターやブログで書かれたりする。ごま かしが効かなくなったこともあり、多発しているように見えているのでは」と分析する。
「付き人もいて、車の送迎が当たり前だったスターが今や不在となり、実力のないタレントが芸能界に多くなっていることの表れ」と指摘するのは、芸能リ ポーターの梨元勝さんだ。
「若手俳優らが携帯電話で話やメールをしながら運転し、事故につながっていることもあるのではないか。芸能人は交通安全週間のイベントの顔になることも あるだけに、車はときに凶器になるとの自覚を持って安全運転してほしい」と訴えている。