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4月22日から5月2日まで開催された第9回トライベッカ映画祭は、キャメロン・ディアスらが声優を務めるハリウッド映画『Shrek forever After』で華やかに幕を開け、最後は、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリスト入りを果たし、アメリカに経済学ブームを巻き起こし、そして日本 でも話題になっている「ヤバい経済学」をドキュメンタリーにした『Freakonomics』で幕を閉じた。


クロージング作品に象徴されるように、トライベッカ映画祭では、ニューヨークの映画祭らしく、人種問題や社会問題を取り上げた作品が多く見受けられ るのも特徴の一つだが、昨年からは特にリーマンショックによる景気後退や、それらが引き起こす社会現象や人間ドラマを扱う作品が増えている。さらに今年は 『Into Eternity』や『Climte of Change』など、環境問題を取り上げた作品も多く、同映画祭を通じて世界中で起きている出来事や社会問題を一般客に発信するチャンスが与えられてい る。


また『Shrek forever After』をはじめ、レニー・ゼルウィガー主演『My Own Love Song』、コリン・ファレル主演『Ondine』、ケイト・ハドソン&ジェシカ・アルバ主演『The killer inside me』などの特別招待作品以外は、クオリティやアート性が高いにもかかわらず無名の監督や低予算映画など、日の目を見ることが難しい作品がそろった。

各部門で優勝者を競い合うことになっており、陪審員を務めるジェシカ・アルバ、アリシア・キーズ、アーロン・エッグハート、ブルック・シールズ、ア ンドリュー・マッカーシー、アビー・コーニッシュ、そして故ニック・カサベテス監督の娘ゾエ・カサベテスらにより選ばれた結果が発表された。


●ワールド・コンペティション● 

~長編~

最優秀作品賞 『When We Leave』 

最優秀新人監督賞 キム・チャピロン(『Dog Pound』)

最優秀主演男優賞 エリック・エルモスニノ(『Gainsbourg』)

最優秀主演女優賞 シベル・ケキリ(『When We Leave』)

審査員特別賞 『Loose Cannons』


~ドキュメンタリー~

最優秀作品賞 『Monica & David』 

最優秀新人監督賞 クリオ・バーナード(『The Arbor』)

審査員特別賞 『Budrus』



●ニューヨーク・コンペティション●

最優秀作品賞 『Monogamy』

審査員特別賞 メリッサ・リオ(女優)

最優秀ドキュメンタリー賞 『The Woodmans』



●ショート・フィルム・コンペティション●

最優秀作品賞 『Father Christmas Doesn't Come Here』

審査員特別賞 『The Crush』

最優秀ドキュメンタリー賞 『White Lines & The Fever: The Death of DJ Junebug』

審査員特別賞 『Out of Infamy: Michi Nishiura Weglyn』



映画鑑賞や各種イベント参加者などの入場者は約41万人と年々増加傾向をたどっているトライベッカ映画祭は、早くも来年10周年を迎えることにな る。既に大掛かりな準備が行われているようだが、来年はさらに豪華な顔ぶれと、今までにはないユニークな企画が期待できそうだ。