『マトリックス』シリーズのジョエル・シルバーが製作し、アカデミー賞俳優デンゼル・ワシントン×名優ゲイリー・オールドマンが競演したサスペンス・アクション超大作『ザ・ウォーカー』(6月19日公開)。本作を「ゴルゴ13」の作者である劇画家さいとう・たかをが一足早く鑑賞し、大絶賛しているという。

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『ザ・ウォーカー』は1月15日の全米公開時に『アバター』(公開中)を破り、全米興行収入1位を記録した大ヒット作だ。監督のヒューズ兄弟は、『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟の後継者との呼び声が高く、大友克洋原作「AKIRA」実写映画化の監督候補としても一躍脚光を浴びているホットな存在だ。

本作でデンゼルが演じるのは、世界に一冊だけ残されたある“本”を携え、西へと旅を続ける放浪者“ウォーカー”役。本作では、ブルース・リーの弟子をコーチにつけて27kgの減量を行い、自らスタントを行って、54歳にして初の本格アクションに挑んだ。そんな本作について、さいとう・たかをは熱い賛辞を送った。

「本当に面白い!久しぶりに現れた大人が魅せられる骨太アクション映画。デンゼル・ワシントンのアクションは、近年のCGを多用した映画には見られない完成度の高さで、最後まで釘付けだった。本当の俳優とは、彼のような人物のことを呼ぶのだろう」。

また、主人公が体現した美学についてもこうコメントする。「今、日本をはじめ、世界中の人間に欠けているのは、“責任感”と“プロ意識”。ある仕事に対して、それ自体の善悪の判断がつかないとしても、ストイックに任務を遂行することは、ひとつの美学だ。一国の指導者でさえも、すぐに発言や行動にブレが生じることが散見される世の中。そんな現代、本作で描かれた主人公が体現するのが“折れない信念”だ。これが現代から消えかけていることは非常に由々しき問題だと思う。本作は、責任感の欠如がはびこる現代に警鐘を鳴らす映画になっている」。

さらに自身の代表作である「ゴルゴ13」の主人公・デューク東郷との共通点について、「ふたりはそっくりだと思う。現代人に欠けている仕事に対する“責任感”や“プロ意識”を追い求め、不屈の精神でミッションを実行していく姿は、デューク東郷と非常に近しいスタンスだと思う。そういった意味では、デンゼル・ワシントン版『ゴルゴ13』と言えるかもしれない」と熱弁をふるった。

あの“デューク東郷”からお墨付きを得たデンゼルってすごい。男性陣は是非『ザ・ウォーカー』を観て、筋金入りの男道を伝授してもらおう。【Movie Walker



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