人気声優の浪川大輔が初メガホンをとる「Wonderful
World ワンダフルワールド」の公開記念トークショーが5月14日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、浪川がファンに猛アピールを展開し
た。同作は、睡眠中の人間が第2の生活を送る意識世界“ヘム”を舞台に、動物保護団体の顧問弁護士をしている主人公・片山誠志(宮野真守)と、現実の世界
で20年間植物状態にある兄・晃一(浪川)の再会と葛藤(かっとう)を描く。
アナキン・スカイウォーカー(「スター・ウォーズ 」シリーズ)、フロド・バキンズ(「ロード・オブ・ザ・リング 」シリーズ)の洋画吹替えを担当する浪川。今 回、監督業に挑んだ心境について「ちょうど1年くらい前から表現者として壁にぶち当たった。芝居に答えはないが、どこに向かったらいいのかと。そこで作品 作りを(監督として)俯瞰(ふかん)したいと思った」と説明。撮影期間は6日間で、現在は約90分間の本編完成を目指し最終的な編集段階にあるといい「監 督は『撮ったら終わり』じゃないから大変。今は睡眠時間2~3時間で頭が痛い」と話しながらも充実そうな表情を浮かべた。
同じ人気声優の 宮野を主演に起用する一方で、モデルの上原歩 、お笑い芸人の ヒロシなど多彩なキャスティングが実現したことについて「ジャンルを超えたコラボがしたかった」。トラウマを抱える青年を演じる宮野は、撮影中に「ツラ イっす、ツライっす」と連発していたそうだが、浪川は「役者さんはみんな、ほとんどNGを出さなかった。だからこそ6日間で撮れた」と感謝した。
初監督を通して、「役者さんの役柄へのアタックがそれぞれ違い、とても勉強になったし、感受性が広がった」。同作では観客を勇気づける、前向きな メッセージを選んだといい「ひと言でいえば成長物語。アラが見える部分もあるかもしれないが、気持ちだけは詰まった作品」と胸を張った。
「Wonderful World ワンダフルワールド」はエバーグリーンプロジェクト配給で、6月19日から公開。