>スタジオジブリの最新作映画『借りぐらしのアリエッティ』で、藤原竜也が物語の中で重要なキャラクターとなる、小人 のスピラーの声を演じることが明らかになった。藤原は以前からジブリ作品の大ファンで、このオファーを喜んで引き受けたという。
このスピラー役については、なかなか決まらなかったようで、ジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、「藤原くんのキャスティングは、急きょ決まった」 と明かした。
『借りぐらしのアリエッティ』はメアリー・ノートン原作の「床下の小人たち」に基づいている。スピラーはこのノートンの小人冒険シリーズの2にあ たる「野に出た小人たち」に出てくるキャラクターだが本作には登場し、物語においてはキーポイントとなるべきキャラクターになる。ぼくとつな雰囲気を持つ 少年で、言葉が少ないながらも強烈な印象を残さなければいけないという難しい役どころで、キャスティングも難航していた。
鈴木プロデューサーは、いろいろな俳優の声を聞いてみるもなかなかピンとくることがなかったという。米林宏昌監督、通称麻呂さんがスピラーの雰囲 気に似ているため、いっそのこと彼をキャスティングしまおうかと思い詰めていたほどだった。そんな中、急転直下藤原に決定したきっかけは、藤原がジブリに たまたま遊びに来たことだった。
鈴木プロデューサーは、故井上ひさし氏原作の舞台「天保十二年のシェイクスピア」を観劇して気に入っており同作に出演していてジブリファンだとい う藤原と意気投合。藤原が恵比寿にあるジブリの事務所(本社は東小金井)に遊びに来て、何げない雑談をしていたときにピンときたという。
「藤原さんの声はよく聞くと鼻にかかったような声で聞いていてすごく魅力的」と感じ、「これは探していたスピラーかもしれない」と直感、その場で 藤原に台本読みを依頼すると直感が確信に変わったようで、翌日すぐ藤原の事務所にスピラー役のオファーの電話をしたという。「しかもすでに出来上がってい るスピラーの絵を見ると藤原さんに似ている」と鈴木プロデューサーが明かすように、このキャスティングが偶然から生まれたとはいえまさにはまるべきところ にはまった必然の人選だったということだ。
藤原はこの急きょ決まったキャスティングについて、「脚本を読んで、翌日事務所に電話がかかってきたんです。ものすごい勢いで決まっちゃいまし た。僕としては、とてもうれしかったです」ともともとジブリファンだけあってこのオファーは喜んで引き受けたことを明かした。
本作の声優に関しては、アリエッティを志田未来、小人のアリエッティと出会う人間の少年の声を神木隆之介が担当するほか、大竹しのぶ、竹下景子、 三浦友和、樹木希林らそうそうたる俳優陣が演じる。すでにアフレコは終わっておりあとは完成を待つばかりだ。
映画『借りぐらしのアリエッティ』は7月17日より全国公開