産 経新聞 より(以下一部抜粋)

> 日本のイルカ漁を批判する米アカデミー賞受賞映画「ザ・コーヴ」が一部団体の抗議で上映自粛の動きが広がっている問題で、日本ペンクラブ(阿刀田高会 長)は15日、上映中止を憂慮する緊急声明を出した。

 声明は「言論表現の自由にとって残念な事態がじわじわと広がっている」との認識を示したうえで、「映画館・大学を含む公的施設は圧力に屈することなく作 品の上映機会を提供できるよう努力を重ねてほしい」と呼びかけている




まあ、映画を見ない事には批判もできませんからねえ……。

たださあ、感情論だけで言うとね、これだけ日本人の反米感情を煽るような作品をとっといて、それは撮影している最中からも日本の映画祭での上映時でも今回の騒動でも誰の目にも明らかなのに、なんで制作した側はそのことに全く無頓着なのか、それが理解できないよね。日本人側が感情的になっているのは日本人に知識と理解力が足りないせいで、彼らが正しい事を教て啓蒙すればその内真実に気づいて自分達に感謝するようになるだろうぐらいに思ってるんじゃないかとつい考えてしまう。私達は蛮族かよ。

「コーヴ」で撮影されたものがどれだけイルカにとって悲惨な状況なのかは映画を見てないからわからないけれど、でもそこで殺されてるイルカよりもアメリカで殺されてる人の方がよっぽど多いんじゃないの? イルカよりも、まず人間を大事にすべきなんじゃない? イルカは哺乳類ってぐらいしか人間と共通点ないけど、人種は違っても同じ人類なんだぜ? イルカ守ること訴える前に、まずあんた達の根強い人種偏見なんとかしたら? と、映画見てもいないのに思わされてしまうのは、やっぱり撮影中やその後の状況に関わっている最の制作者達の態度を私達が見ているからなんだと思うけど。

あんた達にとって、日本人はイルカ以下か?!

こういう漠然とした思いが日本人の感情の水面下に沈潜している。それは漠然とはしているけれど、でもとても強い怒りだから彼らの言葉による論理などでは解消されない。

そもそも彼らは「コーヴ」を制作する時、隠し撮りをした挙げ句にそれを全世界へ供給するフィルムにして、それで当事者が怒らないとでも思っていたのか?

怒るだろうけれど、適当にあやまれば許して貰えるとタカをくくっていたのか?

彼らのそういう態度が当事者達の怒りに火に油を注ぐ結果になるかもしれないと、ちらっとでも思わなかったのか?

私はそうは思わない。

彼らは自分達が「隠し撮り」をすれば当事者の方々がどれだけ怒るか充分承知していたはずだ。

でも彼らはぬけぬけとそれをやった。

つまり、当事者が怒ろうがどうしようが、彼らにとっては微塵も問題ではなかったということだ

その点に一番腹が立つ。

彼らにとって誤算があったとしたら、「当事者」が太地町の人々だけでなく日本人全体だったことだろう。

私達は怒っている。
彼らの、人を人とも思わぬ傲慢なやり方に。
正義は自分達の側にあると言いたげな一方的な見解に。

結局のところこの問題は表面には出てこない人種差別意識に根ざすものであり、私達は差別されていると感じるが故に怒っているのだ。普段、口先だけではおだてておいて、あんた達の真意はこれかよ、と。

それはたぶん、映画が提起してみせている問題とは別の次元のことなのである。



それもこれも見ない限りは分からないんですけどね。