eiga.com より(以下一部抜粋)

>和歌山県太地町で行われているイルカの追い込み漁を撮影し、国内外で賛否両論の議論を巻き起こしているドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ 」。同作の中心的存在で案内役を務めたリチャード・オバリー 氏がこのほど来日し、インタビューに応じた。

オバリー氏は、1960年代に人気を博したTV番組「わんぱくフリッパー」で調教師兼俳優として活躍。しかし、家族のように愛していたイルカがス トレス死したことをきっかけに、イルカの保護活動を世界中で展開してきた。


市民団体などからの度重なる抗議活動の末、東京での上映が急遽 中止となった同作。これを受けてオバリー氏は、「文明、民主主義への冒涜(ぼうとく)だと思う。日本の国民は劇場に直接電話をして、公開を訴えるべきだ。 日本は北朝鮮や中国やキューバじゃない。民主主義の国で、人権が踏みにじられているといってもおかしくない。日本国民はこの映画を見る権利があるんだ。国 民それぞれが行動を起こしてほしい」と熱く訴えた。


イルカ肉には大量の水銀が含まれていると主張するオバリー氏は、「イルカ肉が人体へ悪 影響を及ぼしていることを、なぜ太地の人々が認めないのかが分からない。政府や最高裁が真実を隠ぺいした1950年代の水俣病問題のように、政府はいつも 人々ではなく企業を守る。おそらくイルカ漁についても、そういう何らかの隠ぺいがなされていると思う」。そして、「より多くの人々に映画を見てもらえれ ば、私の仕事は楽になる。観客がイルカ肉に有害物質が含まれていることを知れば、イルカ肉の需要がなくなる。私のゴールはイルカ肉を市場から撤退させるこ とであり、それは映画製作者たちのゴールとは多少異なるかもしれない」と語った。


撮影方法が隠し撮りだっただけに多くの物議をかもした が、第82回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞を受賞 した。「オスカーをとったからって、私個人の環境は何も変わらないよ。映画製作者が賞をとったわけで、私がとったわけじゃない。ただ最高の娯楽作品として 多くの人に認められたことは事実だと思う。アカデミー賞は、あくまでエンタテインメントの価値を決めるものなんだ。日本の方々にもそういう見地から、まず は見てほしいと思う」と公開を切望した。


現在、配給のアンプラグドは同作の東京上映を目指し各劇場と協議中だ。