>“仮面ライダーが電車に乗る”異色作「仮面ライダー電王」(07~08)。テレビでの放送終了から2年半を経ても人気は衰えず、現在、劇場版「超・ 電王トリロジー」として最新3作が連続で公開中だ。GWや夏休みより子供の動員が難しい時期にも関わらず『EPISODE RED』『EPISODE BLUE』と2作連続で初登場2位という好成績を記録した。しかし、なぜ「電王」はここまで人気なのだろうか?
その最大の理由として、キー・キャラクター“イマジン”たちの人気が挙げられる。もともと彼らは「“願いを叶える”名目で人間に憑依し、時間を超え て悪事を働く未来からの来訪者」という設定なのだが、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスといったイマジンたちは主人公・野上良太郎に憑依 し、仮面ライダー電王の様々なフォームとなり、強敵たちと戦っていく。そんな彼らは口ぐせや仕草、性格などが“超”個性的で、ファンを引き付けて止まな い。
ちなみに映画のPRでは、モモタロス本人が雑誌インタビューに答え、テレビ番組にも出演したり、イベントやプレミア上映にイマジンがこぞって来場し ファンが声援を送るなど、“劇中のキャラクター”というよりも“実在のスター”的扱いとなっている。また、イマジンがここまでの存在となったのは、モモタ ロス役の関俊彦ら声優陣の力も大きい。彼らがイマジンになりきって歌ったキャラクターソングは、音楽チャートの上位を度々にぎわし話題を集めている。
もちろんイマジンだけでなく、出演俳優たちの存在も本作を語るうえで外せないポイントだ。テレビ版から出演し、トリロジー1作目『~EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル』では主役も務めた桜井侑斗役の中村優一は、今夏放送の実写版「もやしもん」にも主演し、注目度が上昇中だ。物語の鍵を握る少 女・コハナ役の松元環季も大河ドラマ「龍馬伝」などに出演、先日には1stアルバム「small nature」を発表するなど活躍目覚しい。今回は出演していないものの佐藤健をはじめ、地力のある俳優たちに支えられているのも特徴だろう。
さらに“映画独自の発展”も人気持続のポイント。『BECK』(9月4日公開)で佐藤健、水嶋ヒロと共演する桜田通が扮する野上幸太郎(テレビ版の 主人公・良太郎の孫)は、『劇場版さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』(08)から登場のゲストキャラだったが、トリロジー2作目『~EPISODE BLUE 派遣イマジンはNEWトラル』では主人公にまで一気に昇格している。