>21日、千代田区霞ヶ関の弁護士会館で、映画『ザ・コーヴ』緊急シンポジウムが行われ、上映館と公開日が決まったこ とが発表された。
本シンポジウムには、各公開劇場支配人、本作の配給会社アンプラグド代表の加藤武史氏、雑誌「創」編集長の篠田博之氏、弁護士の日隅一雄氏、そし てゲストとして、ジャーナリストの田原総一朗氏、マンガ家の石坂啓氏ら多くの著名人が登場。会場はマスコミや観客が多く入り、映画『ザ・コーヴ』への注目 度の高さを物語っていた。
そんな中、今回のシンポジウムが実施されることとなった。そして、ようやく決定した新たな公開劇場として東京・シアター・イメージフォーラム、大 阪・第七藝術劇場、横浜・横浜テアトル、京都・京都シネマなど6館で上映されること、公開初日が7月3日に決定したことが発表された。
シアター・フォーラムの山下支配人は、「上映を決意した理由としましては、『作品を観たい方々がいる』それ以上ありませんでした。単館映画館とし て上映されている映画の幅が狭まっていくことは避けたいと思いました」とコメント。また、大阪・第七藝術劇場の松村支配人は「作品の正当性を訴えるという よりも、作品を観てから作品への賛同や批判を多くの方に考えて頂きたいと思いました」と上映にあたっての決意を寄せた。この公開劇場の決定によって、今 後、さらなる賛否両論の渦が沸き起こることは必至。今後の動向にも注目したい。
和歌山県・太地町の入り江(コーヴ)で行われているイルカ漁をとらえた衝撃のドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』。その衝撃的な内容や、隠し撮り という撮影手法などが一部の人々からのバッシングを浴びることとなり、これまでにも劇場上映・イベントなどが相次いで中止を余儀なくされるなど、現在も激 しい賛否両論の渦を巻き起こしている。
本作は、第82回アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞した衝撃のドキュメンタリー。 1960年代の人気ドラマ「わんぱくフリッパー」でイルカの調教を担当したリック・オバリー氏が、この作品がきっかけで、イルカが巨大ビジネスの餌食に なったことを悔やみ、イルカの保護を訴えるため活動を行なってきた。そして、彼と一緒に行動する撮影隊が、和歌山県・太地町で行われているイルカ漁の様子 を隠し撮りで撮影。イルカ漁が抱える水銀問題、肉偽装問題、そして大量のイルカ漁が、もがき苦しみながら殺されている漁の現実を世界に向けて発信、大きな 議論を呼んでいる作品だ。
映画『ザ・コーヴ』は7月3日より東京・シアター・イメージフォーラムほかにて公開