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経新聞
■「人と人が協調できないことを描いた」
「ゾンビ映画の帝王」ジョージ・A・ロメロ監督が70歳にして撮った新作「サバイバル・オブ・ザ・デッド」が、全国公開されている。ゾンビ映画の古典で あるデビュー作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968年)から42年。ロメロ監督は電話インタビューに対し、「ゾンビは災害の象徴。人間がいか に脅威に対応するかを描いてきたつもりです」と語る。
「最近の観客は残酷なシーンに見慣れてしまって、あえて強調する必要がなくなった」とロメロ監督が言うように、新作は全盛時の作品に比べ、残酷描写は抑 え気味だ。ゲームや映画での残酷描写が青少年に与える影響が取りざたされるが、「若者より大人の方が暴力的じゃないかな。それは映画より深刻な状況だ。今 の社会や権力者には失望しているよ」。
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」では民家を取り囲んだゾンビの恐怖を描き、その後も「ゾンビ」(78年)、「死霊のえじき」(85年)とゾンビ映 画を撮り続けている。その根底に描かれるのは、極限状態で浮き彫りになる人間のエゴや欲望だ。
「人と人とが協調できないことを描きたかった」という新作の舞台は、ゾンビが増殖中の孤島。ゾンビを撲滅しようとする島民一家と、ゾンビとの共存を図る 一家との抗争が、さながら西部劇のように描かれている。エゴむきだしの人間の方が、ゾンビよりよっぽど怖い。
9歳のときに読んだコミックブックで残酷描写に目覚めたというロメロ監督。今後もゾンビ映画を作り続けるのか。
「今年で70歳になった。シャワーを浴びていると、ゾンビ映画以外のアイデアも浮かぶが、ゾンビ映画を撮らせたがる会社側と闘うエネルギーは私にはあま り残っていない。もし情熱を傾けるアイデアがあれば、それが最後の作品になるかもしれないね」
■「人と人が協調できないことを描いた」
「ゾンビ映画の帝王」ジョージ・A・ロメロ監督が70歳にして撮った新作「サバイバル・オブ・ザ・デッド」が、全国公開されている。ゾンビ映画の古典で あるデビュー作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968年)から42年。ロメロ監督は電話インタビューに対し、「ゾンビは災害の象徴。人間がいか に脅威に対応するかを描いてきたつもりです」と語る。
「最近の観客は残酷なシーンに見慣れてしまって、あえて強調する必要がなくなった」とロメロ監督が言うように、新作は全盛時の作品に比べ、残酷描写は抑 え気味だ。ゲームや映画での残酷描写が青少年に与える影響が取りざたされるが、「若者より大人の方が暴力的じゃないかな。それは映画より深刻な状況だ。今 の社会や権力者には失望しているよ」。
「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」では民家を取り囲んだゾンビの恐怖を描き、その後も「ゾンビ」(78年)、「死霊のえじき」(85年)とゾンビ映 画を撮り続けている。その根底に描かれるのは、極限状態で浮き彫りになる人間のエゴや欲望だ。
「人と人とが協調できないことを描きたかった」という新作の舞台は、ゾンビが増殖中の孤島。ゾンビを撲滅しようとする島民一家と、ゾンビとの共存を図る 一家との抗争が、さながら西部劇のように描かれている。エゴむきだしの人間の方が、ゾンビよりよっぽど怖い。
9歳のときに読んだコミックブックで残酷描写に目覚めたというロメロ監督。今後もゾンビ映画を作り続けるのか。
「今年で70歳になった。シャワーを浴びていると、ゾンビ映画以外のアイデアも浮かぶが、ゾンビ映画を撮らせたがる会社側と闘うエネルギーは私にはあま り残っていない。もし情熱を傾けるアイデアがあれば、それが最後の作品になるかもしれないね」