> 八日付の東京スポーツ紙面に、ある「事件」が起きた。

 問題となった記事は芸能面、「関ジャニ村上信五ネッシーの影見た」。東スポ的にはある意味フツーの記事ともいえるが、関係者を驚かせたのは、関ジャニ ∞(エイト)の村上信五、丸山隆平、安田章大の三人が顔をそろえた記者会見に、東スポ記者が取材を許可されたことだった。

「もう十年以上前から東スポは、中居正広が一般女性を妊娠させた疑惑や、渋谷すばる解雇、錦戸亮のセクハラ事件や大野智の大麻疑惑など『御用メディア』が 絶対報じないようなネタを掲載。ジャニーズ会見は出入りを禁じられていました」(芸能ジャーナリスト)

 ちなみに、他にも「週刊女性」「日刊ゲンダイ」そして他ならぬ小誌も同様の扱いを受けているが、

「たまに『写真は絶対に撮らない』など一筆書いて、会見に入れることもありましたが『お付き合いがないので』と断られるのが通例」(芸能関係者)

 今回も東スポ取材陣は喧嘩覚悟で臨んだというが、あっさり取材を許され、拍子抜けしたという。

「『なぜ取材OKだったのか』と他の社から東スポに問い合わせが殺到したそうです。関ジャニはジャニーさん直々に手がけた『物件』だけに、何が起きたのか と物議を醸した。東スポ以外の媒体でも、『以前より対応が緩くなった』という声を聞きます」(芸能記者)

 これは歴史的な和解なのか。

 この変化を前出の芸能ジャーナリストは、こう推測する。

「ビートたけしは宿敵だった『フライデー』と手打ちし、東スポにも登場するようになって、逆にスキャンダルを書かれなくなった。ジャニーズから歩み寄りを 示すことで、“お付き合い”を強化、あら探しされるのを防ぐ戦略かもしれません」

 さらに木村拓哉の月9ドラマが平均視聴率一六・八%と惨敗。かつてのような「御威光」が通用しなくなってきた現状もある、という。

「天敵」東スポとの“歴史的和解”の真意を尋ねようと、ジャニーズの担当者に電話で取材を申し込もうとすると、「週刊文春ですが……」と名乗ったとたん、 切られてしまった。小誌との“雪解け”はまだまだ遠いようだ。

(週刊文春2010年7月22日参院選特大号「THIS WEEK 芸能」より)