>スタジオジブリの新作映画『借りぐらしのアリエッティ』の世界を体験できる「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平 展」のプレス向け内覧会&開会式が16日、東京都現代美術館で行われ、映画美術監督の種田陽平、鈴木敏夫プロデューサー、米林宏昌監督らが出席。声優を務 めた志田未来と神木隆之介、主題歌を歌うセシル・コルベルも来場し、同展の開幕を祝した。
今回の展覧会では、映画『スワロウテイル』『キル・ビル』『ザ・マジックアワー』など、世界中で活躍する種田が、本作の中に登場する小人たちの生 活空間を立体化し展示。主人公アリエッティが暮らす床下の世界を体験できるだけでなく、種田がこれまで手掛けた実写映画美術に関する貴重な素材や、本展覧 会のメイキング、『借りぐらしのアリエッティ』の制作資料も展示され、映画美術の世界に触れることができる。
1,200平方メートルの空間に再現された小人の世界は、まるで迷路のように入り組んでおり、照明もあえて暗めなので、思わず迷子になりそう。ア リエッティの部屋や家族のリビングをはじめ、地下の世界に光をもたらす高さ3メートルのワイン瓶、アリエッティらを地上に導く糸巻き機など、種田らしい緻 密なこだわりが満載だ。また、映画のカギである巨大な通気口が、会場の出入り口になっており、小人気分をさらに盛り上げてくれる。現実を忘れ、映画の世界 観に浸れる心憎い美術演出の数々に、プレス関係者からは称賛の声が多く上がった。
開会式に出席した種田は、「スタジオジブリの美術チームと、実写の美術チームのコラボレーションが実現し、心からうれしい。この展覧会を通して、 ファンタジー空間を感じながら、映画美術の良さを知ってもらえれば」と喜びのあいさつ。アリエッティ役の志田は「映画の世界が忠実に再現されていて、本当 にすごいって言葉しか出てこない。人間のイスや靴の大きさにびっくりし、ちょっと怖かった」とその迫力に圧倒された様子。人間の少年・翔を演じた神木も、 「アリエッティの目線から見ると、世界はこんなふうに見えるんだなって。とても貴重な体験でした」と興奮気味だった。
『借りぐらしのアリエッティ』はメアリー・ノートンのファンタジー小説「床下の小人たち」を基に、宮崎駿が企画・脚本を手掛けたスタジオジブリ最 新作。舞台を1950年代のイギリスから現代の日本に移し、古い家の床下に暮らす小人・アリエッティ(志田)と人間の少年・翔(神木)との交流を切ない タッチで描いている。
映画『借りぐらしのアリエッティ』は7月17日より全国公開
「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」は7月17日から10月3日まで、東京都現代美術館で開催