毎日jp より(以下一部抜粋)

>パナソニックは21日、3D(三次元)映像に対応する薄型テレビ「3Dビエラ」の新シリーズを発表した。今後シャープや東芝も3Dテレビを発売する 予定で、シェア争いが激化しそうだ。他社に先駆けて4月に国内発売したパナソニックは、販売計画を上方修正する方向など「滑り出し好調」とも映るが、ソフ ト不足や高価格がネックで、国内普及の速度は今ひとつ。一方、急拡大が見込まれる世界市場ではサムスン電子など韓国勢が席巻する様相を示しており、国内勢 が巻き返せるか注目される。【浜中慎哉】

 パナソニックが発表した「3Dビエラ」の新モデルは、ブルーレイディスク(BD)の再生・録画機に加え、ハードディスク駆動装置(HDD)を搭載 し、「1台で3D映像が録画・再生できる世界初のテレビ」という。想定価格は42型が39万円、46型が44万円で8月27日に発売する。


 西口史郎・デジタルAVCマーケティング本部長は今後国内発売する42型以上の薄型テレビには3D機能を標準搭載する考えも表明。「新商品投入 で、国内の3Dテレビ市場をリードし、シェア5割を目標とする」と語った。パナソニックは10年度の世界販売目標を当初の100万台から上方修正する方向 だ。


 国内の3Dテレビ市場は4月のパナソニックを皮切りに、6月にソニー、7月中にシャープが発売。東芝や三菱電機も参入し、今夏には主要メーカーが 出そろう。家電量販店でも専用眼鏡で映像を観賞する「体験コーナー」などが設けられ、「3D元年」の商戦が活発化している。


 とはいえ、先行きは楽観できない。調査会社BCNによると、ソニーの3Dテレビ発売日を含む6月第1週に販売された薄型テレビに占める3Dの割合 は、台数ベースで0.9%。6月全体でも0.8%と伸び悩んでいる。BCNは「3D対応ソフトの不足や、通常のテレビに比べ5万~9万円割高なことが要 因」と指摘する。


 各社ともソフト不足は意識しており、例えばシャープは米映画大手ワーナー・ブラザーズと提携し、実写版映画で初の3Dソフト「タイタンの戦い」を テレビ購入者にプレゼントするキャンペーンを実施している。「ソフトがそろい始める年末商戦には期待したい」(パナソニック幹部)との声も出ている。


 世界市場では、今後数年で急拡大期を迎えそうだ。米調査会社ディスプレイサーチによると、世界の販売台数は14年に4290万台と10年の13倍 に拡大。一方、14年の日本市場は200万台で10年の5倍にとどまる。10年に世界の13%を占める日本市場は14年は約5%に縮小し、国内勢の市場争 奪戦は激化しそうだ。14年に37%の1600万台に拡大する北米市場などで、国内勢がどう存在感を示すかが重要になる。