「イルカを食べちゃダメですか?」関口氏と「世界屠畜紀行」美人作家が『ザ・コーヴ』の製作背景を問題視
シネマトゥデイ> 30日、渋谷のシアター・イメージフォーラムで上映中の映画『ザ・コーヴ』のトークショーが行われ、ノンフィクショ ン作家の内澤旬子さんと動物行動学者の関口雄祐さんが出席。「世界の屠畜とイルカ漁~実際の体験をもとに語る~」をテーマに対談を行った。
10年かけて世界中の屠畜現場を取材し、著書に「世界屠畜紀行」を持つ内澤さんは、イルカやクジラ問題について日本人と世界との考え方の違いを指 摘。「政治絡みとか欧米人の考え方自体が日本と根本的に違うから、理解しないとどうにもならない」とコメント。さらに、「普通の気持ちでは観られない」と いうのは、著書「イルカを食べちゃダメですか?」などで実際にイルカ漁を体験してきた関口さん。「映画自体はよくできている」と観た感想を述べた上で、 「展開が早く、ドキュメントとしてはもっと丁寧に観せるべきなのに、娯楽性でまくし立てている。殺されるシーンばかりが観終わった後に残ってしまう」と本 作の撮り方への疑問を強く語った。
そして、こういう映画が撮られる背景に資金力や支持者がいることを内澤さんが問題視すると、関口さんは普通の捕鯨では漁は沖で行われることを例に 出し、「一番絵になる『殺す』シーンを浜辺でやっているから撮影しやすいのでは」とズバリ指摘。「興味ある映像が撮りやすいのも狙われた理由じゃないか」 と支持者やお金が集まる理由を提言していた。
日本のイルカ漁を描いた映画『ザ・コーヴ』は、一時抗議活動や街宣予告により上映中止に追い込まれながらも今月3日に公開。現在は20代~30代をメインに大盛況だという。
映画『ザ・コーヴ』はシアター・イメージフォーラムほかにて公開中
屠畜に詳しいノンフィクション作家の内澤旬子さん