> ロックバンド、X JAPANのリーダー、YOSHIKIの所属事務所「ジャパンミュージックエージェンシー」(JMA)が19日、報道各社に向け、 1998年に死去したXのギタリスト、HIDEさん(享年33)の肖像権をめぐって20億円の使用料を請求されたことを明かした。JMA側は、HIDEさ んの事務所らの対応次第では訴訟も辞さない構えを示した。

 HIDEさんの所属事務所「ヘッドワックスオーガナイゼーション」から、JMA側に通知書が届いたのは17日。かつてXのコンサート運営を手掛けた音楽 制作会社「ネクスターコーポレーション」からヘッド社に3億円を返済させ、JMAがネクスター社に20億円を支払わなければHIDEさんの肖像権契約を無 効にすると記されていた。

 5月2日に行われた十三回忌法要では、HIDEさんの実弟でヘッド社社長、松本裕士氏(42)から依頼を受け、YOSHIKIが代表焼香を行うなど両者の関係は良好だった。今月14、15日の日産スタジアム公演でも、これまで通りHIDEさんの映像を使用。

 だが、熱気も冷めぬうちに巨額な肖像権を請求された。調査を進めてきたJMA側は、ネクスター社の代表者がヘッド社の委託を受け、代理人として動いているとした。

 JMAは今年3月、契約金や公演出演料などが未払いだとしてネクスター社に対し、約3億7500万円の損害賠償を求めて提訴している。関係者によると、肖像権を巡る騒動は同時期から始まり、十三回忌を境に話が加速していったという。

 JMA側は今回の件でヘッド社らが訴訟問題に発展させた場合、逆提訴する可能性も示唆。「法廷の場でこれまでの事実関係をすべてはっきりさせたい」とした。

 YOSHIKIは公式携帯サイトを通じ、「HIDEの遺族の方々の意思でないことを願っている。この問題は自分が解決する」と吐露。先月8日には、 HIDEさんの墓前に初の米国公演の成功を誓っており、「一番悲しんでいるのはHIDEだと思う。映像があろうとなかろうと、彼と一緒に羽ばたこうと思っ ている意思は変わらない」と改めて決意を示した。

 一方、ヘッド社側は「近日中に代理人を通して、正式なコメントをお知らせします」とした。天国のHIDEさんのためにも、一刻も早い解決が望まれる。