>NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(放映中)でお茶の間でも人気者となった向井理が、新垣結衣×生田斗真共演のラブストーリー『ハナミズ キ』(公開中)に出演。新垣扮するヒロイン・平沢紗枝と交流する大学の先輩・北見純一役で、魅力あふれる“自由人”を軽やかに好演している。向井にインタ ビューしたら、彼の胸の内に秘めた情熱がじわりと感じとれた。
一青窈の大ヒット曲「ハナミズキ」をモチーフにした本作は、高校時代に出会った男女の10年に渡る愛の軌跡を丹念に描いたラブストーリー。初めて本 作の脚本を読んだ時、向井は「ストレートな物語」という印象を受けたという。「最近は変化球にいったりとか、奇をてらったりする演出が多い中、本作は真っ 向から勝負してるのが、潔くてスカッとしました」。
大学を経て、カメラマンとして情熱の赴くまま、危険な戦地へも撮影に行く北見。モチーフとなった曲「ハナミズキ」と、北見の進路については “9.11”という共通点があった。「9.11は一青窈さんにとって、『ハナミズキ』という曲を書き上げるきっかけになった事件だし、北見にとっても、自 分のやりたいこと、使命感を感じる事件のひとつだったんです。北見は、一見自由な人間ですが、確固たる信念を持ってないと、そうやって動き回ることはでき ないと思います。彼がニューヨークに根を下ろし、9.11を経験して自分の方向性を見つけたことで、人としてすごく成長をしたんじゃないでしょうか」。
では、向井理にとって、人生における分岐点はあったのだろうか?「いや、ないです。僕は、9.11のような大きい事件を目の当たりにしたことはない ですから。でも、少しずつ何かを経験していくことによって、徐々に角度が変わっていくというイメージです。角度が90度、180度と大きく変わるようなこ とはないけど、そのぶん、今まで出会った人や、経験してきた作品、この仕事に入る前の経験までもが今の自分を作っている。今あるのは、その全部の積み重ね なのかなって思います」。
『ハナミズキ』の後、『BECK』(9月4日公開)、来年の大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」出演と、その活躍ぶりは目覚ましいが、では彼が今、目指しているところとは?
「あと1年半で30歳という節目を迎えるので、それまでにいろんな引き出しを持っていないと、この世界で生き抜いていけないと思ってます。30まで は修行のようなものですね。憧れの人とかはいないので、具体的な目標よりは、精神的な成長だったり、いろんなものを蓄えていきたいです。30前の仕事とし ては、来年の大河ドラマが、ひとつの節目に向かっての大きなステップになるんじゃないかなとは思ってます」。
最後に、『ハナミズキ』についてこうアピールする。「僕たちは身近な人々に支えられながら生きているんだと思うと、周りの人たちを大事にしないといけないなって思えました。本作が、多くの人たちの胸の中に長い時間止まっていける作品になってくれればと思います」。