産経新聞より(以下一部抜粋)

> NHKの連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が好調だ。ここ2カ月の週間平均視聴率は20%前後で、前作「ウェルかめ」の平均13.5%を大幅に上回ってい る(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。ここ数年の朝ドラ低迷を打破する勢いだが、その要因は昭和の光景や水木妖怪の登場といった要素のほかに、ヒロイン像 が従来の「冒険型」から「受け身型」へと大きく変化したことがありそうだ。(萩原万貴枝)

 ゲゲゲの女房は「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみの漫画家、水木しげるさん(88)の妻、武良(むら)布枝(ぬのえ)さん(78)の自伝が原案。昭和30年代以降の東京で、貧乏でも温かく夫を支えるヒロインの半生が描かれている。

 放送開始がこれまでより15分早い午前8時になり、長年の朝ドラの視聴習慣を破ったためか、3月29日の初回視聴率は集計がある39年以降で最低の14・8%だった。

 しかし、ヒロイン役で松下奈緒(25)が本格的に登場すると、視聴率は徐々に上昇。向井理(おさむ)(28)演じる茂の仕事が軌道に乗り、貧乏脱出の光が見え始めた7月12日には21.8%を記録。全体平均も8月中旬までに18%を超えた。

 好調の理由について、ドラマ評論家のペリー荻野さん(47)は「ヒロインが無理やり、自分探しや冒険をしない」点を挙げる。従来の朝ドラ主人公の大半 は、元気で自分の人生を切り開いていく女性。荻野さんは「朝一番で『元気を出そう』というメッセージを体現したヒロインだが、今は視聴者の女性の多くは既 に頑張っていて、さらに『前へ前へ』では見る方は疲れてしまう」。

 また、「女性には雇用不安もあって専業主婦願望が高まっている。ヒロインが家庭の中で幸せを見つける様子も、『そういう生き方もいいよね』と好感されているのでは」とも話す。

 脚本の山本むつみさんは「大多数の人は大発見も大冒険もせずに生きている。そんな普通の暮らしにも、人と人とが寄り添って生きる面白さがある」と、作品 に込めた思いを話す。今回のヒロインは夫の運命に左右される受け身の存在だが、「それでも家族をまとめる中心軸にいる。女性がそんな存在でいる大切さも共 感されたのではないか」としている。

 既に18日にクランクアップし、9月25日に最終回を迎える。



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