産経新聞 より(以下一部抜粋)

>徳島県鳴門市が、市と同名の人気忍者アクション漫画「NARUTO-ナルト-」とタイアップした観光振興に取り組んでいる。作品の主要キャラクターが市内 で発行される印刷物に登場、8月9~11日に開催された「鳴門市阿波おどり」にはアニメ版声優陣も駆けつけた。県内有数の観光地を目指す市の強力な助っ人 に期待が高まっている(谷田智恒)

 徳島市の阿波おどりに先立ち、県内のトップを切って催された鳴門市阿波おどり。今年のPRポスターやチラシには「鳴門でNARUTOだってばよ!」のキャッチフレーズとともに、漫画のキャラクターが踊り子の写真と共演した。

 2カ所ある演舞場のうち1カ所を「NARUTO西演舞場」と名付け、キャラクターを描いた大型看板が会場の両側を埋め尽くした。最終日の11日にはアニメの声優陣がトークショーなどを繰り広げた。

 当日はコスプレ姿のアニメファンも加わり、子供たちも沸いた。高松市から初めて訪れた小学生の野田涼太君(9)は「NARUTOが好きで来たのでうれしい」と大喜びだった。

 漫画はコミック単行本の発行が1億冊を突破するなど、国内外で反響を呼ぶ。その人気に、ファンでもある鳴門商工会議所職員が着目し、観光振興や地域活性化への活用を提案、市と市観光協会の3者で各種イベントの展開に乗り出した。

 「コミック発行1億冊突破と、7月31日からの劇場版アニメ公開がちょうど重なり、いいタイミングだった」と担当者は振り返る。

 第1弾として、地元で発行されているプレミアム付き商品券のデザインに7月3日から漫画のキャラクターを採用。従来は大鳴門橋をバックに渦潮が描かれて いたデザインが、漫画の主人公の「うずまきナルト」に生まれ変わり、県外からも問い合わせがあるなど、用意した1億円分が即日で完売する反響ぶりだった。

 7月下旬には、コミックを出版する集英社から、漫画に登場する「火(ほ)影(かげ)岩」の発泡スチロール製オブジェ(高さ4・5メートル、幅6・7メー トル)を譲り受け、商工観光課のある市役所分庁舎2階に設置した。「見物のためわざわざ市役所を訪れる熱心なファンもいた」(同課)という。オブジェはそ の後、別の場所へ移設したが、市は観光事業の一環として場所は明かしておらず、「どこにあるか探してほしい」と鳴門への来訪を呼びかける。

 鳴門地域地場産業振興センターではアニメ展やグッズ販売などでつづる「NARUTO祭り」(入場無料、火曜休み)を12月26日まで開催中で、長期イベントで観光振興を図る。

 鳴門商議所業務課の福居義浩係長(36)は「今、鳴門はNARUTOで熱い。多彩なコラボ企画で多くのファンらに鳴門の魅力を発信したい」と意気込む。

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 「NARUTO-ナルト-」は、忍者の頭目を目指す少年、うずまきナルトを主人公に描いたアクション漫画。作者は岸本斉史さん。平成11年から週刊少年 ジャンプ(集英社)で連載され、14年からテレビアニメ化された。うずまきナルトはニューズウィーク日本版(18年10月18日号)の特集「世界が尊敬す る日本人100」にも選ばれた。




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