ぴあ映画生活より(以下一部抜粋)

>日本初の本格的なコメディ映画祭「したまちコメディ映画祭 in 台東」が今年も16日(木)から上野と浅草で開催される。回を重ねるごとに規模、内容、ゲストを拡大し続ける本映画祭の“進化の秘密”はどこにあるのか、総合プロデューサーのいとうせいこう氏に話を聞いた。

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世界の秀作コメディの上映もあれば、日本のクラシック・コメディの特集上映や、豪華ゲストを招いたトークイベントもある本映画祭はおそらく日本でも最もバ ラエティに富んだ映画祭だろう。いとう氏は本映画祭の最大の原動力は“人と人とのネットワーク”だという。「今回から“サポーターズクラブ”が結成され て、サポーターの有志が映画祭にさらに深くかかわるようになったんですね。さらに高田文夫さんが『ゲストは小松政夫さんにお願いしたから』と言ってくだ さったり、下からも上からもアイデアが出てくるんですよ。ありがたいことに業界内にも映画祭の存在が浸透してきたんで『また“したコメ”の時期なんだ』っ て、みなさんが出てくれる。それはすごく大きい。映画祭って、映画会社があって、代理店があって…という感じじゃない? でも“したコメ”はその上に“あったかい人の輪”があるんですね」。

今年も、“したコメ”のネットワークは多種多様な人々を映画祭に呼び込んだ。いとう氏は「町山智浩さんと水道橋博士がトークするプログラムもあれば、みう ら(じゅん)さん、松尾(貴史)さんも、マキタスポーツも出てくれる。サブカルの一大フェスになっている一方で、小松政夫さん、小沢昭一さん、羽佐間道夫 さんなど芸能界の大物もいる。ここまで層の厚いフェスは他にないと思う」と自信を見せる。

さらに映画祭を盛り上げる最大の出演者は“観客”だ。「レッドカーペットなんて8割は“やじ馬”なんですよ。だって、何やってるかよくわからずに写真撮っ てる人とかいるもんなぁ(笑)。でも、祭りってそういうもんだから。お神輿が通ったらみんなが拍手するってのが祭りの鉄則。俺は『映画通も納得する、何も 知らないやつらも納得するというものじゃないとエンターテインメントじゃない』と思ってるんです。だから、どんな人も来たら何か面白いことが必ずあると思 う」と語るいとう氏は、開幕に向けてさらに内容を充実させるべく奔走中だ。「今年は音楽イベント(「クレージーキャッツ リスペクトライブ」)があるから若い観客をもっと呼び込みたいし、開催まで『もっと派手にできるんじゃないか?』と探ってるところ。どの枠に来ても満足度 の高いものにしたいし、開催場所が上野と浅草だから帰りにトンカツ食べに行ったりね、映画の前後も楽しめるものになると思いますよ」。

「第3回 したまちコメディ映画祭 in 台東」
開催期間:9月16日(木)~20日(月・祝)
会場:浅草公会堂、浅草中映劇場、不忍池水上音楽堂、上野東急2


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