人気グループSMAPが10月9、10日に開催を予定していた中国・上海市でのコンサート公演を延期すると、所属するジャニーズ事務所が21日、発表した。沖縄・尖閣諸島付近で起きた中国漁船と日本の巡視船の衝突事件で日中関係が悪化し、中国国内での反日運動が激化。事務所は「お客さまの安全の確保を考慮した」と安全管理上の問題を理由に挙げた。新たな開催日程が全くの未定という無期限延期状態。6月の同市でのイベント中止に続き、メンバーやファンが外的要因にほんろうされる形となった。
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 東京ドーム公演を19日に終え、SMAP初の海外公演となる上海へ向けて走りだす矢先の「無期限延期」決定だった。

 20日に中国国内で公演のチケット販売が突然停止されたことを受け、同日、事務所関係者が上海入りして現地主催者と2日間にわたり協議、延期を決定した。
 現地主催者は「技術的な問題」とだけ説明したが、ジャニーズ事務所は「昨今の状況をみて、お客様の安全の確保を考慮して延期することに致しました」と、19日に中国人船長の拘置が延長され急速に悪化した日中関係の影響があったことを明かした。

 次回予定は白紙の「無期限延期」状態。関係者によると、政治的問題の影響であること、多忙なメンバーのスケジュールの再調整が必要であることから、現在は全く公演のめどが立っていないという。
 同公演は、6月に出演予定だった上海万博のイベントが警備上の都合から中止になって以来の“リベンジ”となるものだった。

 上海最大のスタジアム「上海体育場」に2日間で計8万人を動員し日本公演と同規模の豪華演出を披露するなどスペシャルな内容になる計画で、木村拓哉(37)も8月の札幌公演では「楽しみにしていてくださった人たちに改めて会える。僕らも楽しみ」と心待ちにするコメントをしていた。

 事務所は「SMAPそして関係者一同、上海で皆様にお目にかかるのを楽しみにしております」と中止ではないことを強調したが、6月に続き再び現れた高い壁。ファンもメンバーも「3度目の正直」という言葉を信じるほかない。