> 【台北=源一秀】23日に東京都港区の六本木ヒルズで行われた東京国際映画祭の開幕式で、中国代表団が台湾代表団の名称にクレームをつけたことから、双方の俳優ら56人が式への参加を取りやめる事態となったことが分かった。

 関係者によると、開始直後に中国代表団の江平団長が「台湾は中国の一部であり、台湾の出席者に『台湾代表団』の名称が使われているのは不適切だ」と主催者側に詰め寄り、「『中国台湾』か『中華台北』を使用しなければボイコットする」と主張した。

 台湾代表団の陳志寛団長が反論して両者が一歩も引かず、両代表団は足止めされたまま式が終わった。出席できなかった参加者には、台湾出身の女優、ビビアン・スーさんらがいた。

 同映画祭では、これまでも「台湾代表団」の名称が使われたが、問題となったことはなかった。

 台湾の総統府は24日、「中台双方の平和発展に好ましくない」と、中国側に抗議する声明を出した。