産経新聞 1月1日(土)11時12分配信

> 奥浩哉(ひろや)の人気コミックを映画化した「GANTZ(ガンツ)」前後編が完成し、1月29日から前編が公開される。主演に嵐の二宮和也(27)と 松山ケンイチ(25)という若手実力派を迎え、スケールの大きさとスピード感をそなえたSFアクションの傑作に仕上がっている。(岡本耕治)

 物語は、玄野(二宮)と加藤(松山)が電車事故で死ぬシーンから始まる。気がつくと2人は見知らぬマンションの一室にいた。そこには同様に死んだはずの男女が集められており、部屋の中央に置かれた巨大な黒い球体を囲んでいた。やがて、球体の表面に文字が浮かびあがり…。

 「すごく好きな原作です。いつもは『若者の日々の成長』みたいなものを演じることが多かったので、アクション作品には縁がないと思っていた」と二宮は笑う。

 「GANTZ」は奇妙な物語だ。玄野たちは謎の球体「GANTZ」に身体機能を増強するスーツと武器を与えられ、異星人たちと戦うことを強要される。敵 はネギを持った「ネギ星人」、懐かしの歌手、田中星児そっくりのロボット「田中星人」…。冗談みたいな外見の敵が、残虐な攻撃を仕掛けてくる。さらにメー ンの登場人物が次々と死ぬなど、観客の予想をことごとく裏切り、振り回す。

 テレビドラマ「拝啓、父上様」や「フリーター、家を買う。」などで、若者の日常を繊細に演じてきた二宮。しかし、本作では黒いスーツに身を包み、異星人との壮絶な戦いを展開する。

 「大仏の腕を駆け上がるシーンなど、合成シーンは“超人”気分が味わえて楽しかった。自分でもいろいろ意見を出してみたけれど、それが形になっていくのも面白かったですね」

 この作品のハイライトの一つが、深夜の駐車場で繰り広げられる田中星人との戦い。高速で動くロボットに玄野がめちゃめちゃに、しかもしつこく殴られ続けるシーンがある。

 「田中星人のマスクは外がほとんど見えないから、僕は本当にボコスカ殴られ続けていた。かなり痛い。その撮影が1週間続いたんですよ。早く終わってくれーってずっと思っていました」

 二宮が出演を決めた理由の一つに、初の共演となる松山の存在がある。「驚くくらいまじめな人。芝居も合格ラインは楽々越えて、そのはるか上で自分のやりたいことをやっている感じ。松山ケンイチにしかできない、というものを持っている」と絶賛する。

 4月に公開されるPARTIIもすでに撮影は終了。物語は原作を離れ、独自の展開を見せる。

 「スタッフもキャストもみんな『GANTZ』が好き。その僕らが納得できるものになっています。期待してください」