> 頑張ることが気恥ずかしいという若者が増えている。だが、彼の芯は「大和男児」そのものだ。
「一生懸命やることに格好よさを感じる。自分をよく見せようと思う前に、まず好きなことを本気でやる。それが真の格好よさだと思う」。整った顔立ちから笑みをこぼし、続けた。「ジョーから教わった部分もありますけどね」
ジョーとは、スポーツ漫画の傑作「あしたのジョー」のヒーロー。同名の映画で演じた役柄だ。25歳。原作の連載やテレビアニメが始まった昭和40年代には生まれておらず、詳しくは知らない。そんな自分が演じていいのか悩んだという。
だが、その背中を押したのも、ほかならぬジョー。初めて原作を読んだとき、何度でも立ち上がり、挑戦し続ける姿に感銘を受けた。「日本の男の格好よさをジョーからのメッセージとして受け取った。これも何かの縁かなと」
撮影は過酷だった。曽利文彦監督の「本気でボクシングをする」意向で、試合は吹き替えなし。撮影中も練習を続け、「ボクシングに使える筋肉」を身につけ、腕を磨く。最大8キロも減量した。「ボクシングがうまくなる、ボクサーの体になることしか考えていなかった」
顔や頭にパンチが当たったこともある。高熱の中、試合の撮影も。「死ぬほどの状態ではないなら、やるでしょう。何せ、あしたのジョーなんで」。人を殴ったのは「小学校時代のケンカくらい」で、顔を思い切り殴ることに抵抗があった男は、心身ともにボクサーになっていた。
共演者の存在も大きかった。ジョーにボクシングを教える丹下段平役の香川照之は「山下にとっても“リアル段平”でした」。ボクシング好きの香川は技術や 演技のアドバイスをしてくれた。「ジョーはとにかく勝ちたい。自分もそのためにトレーニングしてきたと思えと。ぼくの気持ちを役柄に持っていってくれた」
勝ちたい-。自身に通じるところがあった。もともと負けず嫌い。「幼稚園のころから、かけっこで負けることすら嫌だった。遺伝ですね。母親が負けず嫌いで、意見がぶつかると、よくケンカします」と笑う。
11歳でジャニーズ事務所入り。「とにかくグループを組んでCDを出す。それが最初の目標」とハングリーだった。「その後は、主役をやる、1位を獲るとか。ライバルがたくさんいたので、どう上がっていくか、すべてにおいて一生懸命だった」
幅広い活動の中、役者業は「自分であって自分ではない。この役柄ならどうするかと考えるとイメージ力が上がる」。ファンが自分に何を求めているかを考えるようにもなった。
「芯はブレず、いい意味で裏切りたい。見ている人が引いてしまうような作品に出たい。悪役、変質者の役をやるのもいいな」。挑戦し続ける男は、やはり格好いい。
「一生懸命やることに格好よさを感じる。自分をよく見せようと思う前に、まず好きなことを本気でやる。それが真の格好よさだと思う」。整った顔立ちから笑みをこぼし、続けた。「ジョーから教わった部分もありますけどね」
ジョーとは、スポーツ漫画の傑作「あしたのジョー」のヒーロー。同名の映画で演じた役柄だ。25歳。原作の連載やテレビアニメが始まった昭和40年代には生まれておらず、詳しくは知らない。そんな自分が演じていいのか悩んだという。
だが、その背中を押したのも、ほかならぬジョー。初めて原作を読んだとき、何度でも立ち上がり、挑戦し続ける姿に感銘を受けた。「日本の男の格好よさをジョーからのメッセージとして受け取った。これも何かの縁かなと」
撮影は過酷だった。曽利文彦監督の「本気でボクシングをする」意向で、試合は吹き替えなし。撮影中も練習を続け、「ボクシングに使える筋肉」を身につけ、腕を磨く。最大8キロも減量した。「ボクシングがうまくなる、ボクサーの体になることしか考えていなかった」
顔や頭にパンチが当たったこともある。高熱の中、試合の撮影も。「死ぬほどの状態ではないなら、やるでしょう。何せ、あしたのジョーなんで」。人を殴ったのは「小学校時代のケンカくらい」で、顔を思い切り殴ることに抵抗があった男は、心身ともにボクサーになっていた。
共演者の存在も大きかった。ジョーにボクシングを教える丹下段平役の香川照之は「山下にとっても“リアル段平”でした」。ボクシング好きの香川は技術や 演技のアドバイスをしてくれた。「ジョーはとにかく勝ちたい。自分もそのためにトレーニングしてきたと思えと。ぼくの気持ちを役柄に持っていってくれた」
勝ちたい-。自身に通じるところがあった。もともと負けず嫌い。「幼稚園のころから、かけっこで負けることすら嫌だった。遺伝ですね。母親が負けず嫌いで、意見がぶつかると、よくケンカします」と笑う。
11歳でジャニーズ事務所入り。「とにかくグループを組んでCDを出す。それが最初の目標」とハングリーだった。「その後は、主役をやる、1位を獲るとか。ライバルがたくさんいたので、どう上がっていくか、すべてにおいて一生懸命だった」
幅広い活動の中、役者業は「自分であって自分ではない。この役柄ならどうするかと考えるとイメージ力が上がる」。ファンが自分に何を求めているかを考えるようにもなった。
「芯はブレず、いい意味で裏切りたい。見ている人が引いてしまうような作品に出たい。悪役、変質者の役をやるのもいいな」。挑戦し続ける男は、やはり格好いい。