ORICON BiZ より(以下一部抜粋)

>韓国でシリーズ360万部という大ヒットを記録した『月の街 山の街(原題:練炭の道)』。「月の街」「山の街」と呼ばれる韓国の貧民街で暮らす人々が織りなす、ささやかな幸せがあふれる実話短編集だ。翻訳を手掛け たのは草なぎ剛。これまで宇多田ヒカルや大貫亜美(PUFFY)など、芸能人が翻訳を手掛けた例はあったが、英語の絵本がほとんど。韓国語、しかも文芸書 というケースは非常に珍しい。

芸能人が翻訳を手掛けた主な作品

 草なぎへの翻訳オファーについて、発行元のワニブックス・飯島真梨氏は「韓国語が堪能であることに加え、チョナン・カンとして日韓交流に大きく貢献して きたこと、さらにご本人の真摯で誠実な人柄が作品の雰囲気と重なったため」と、その理由を語る。原作は100話以上から成るシリーズだが、本書はそこから 家族をテーマにした29話を収録。選定作業にも参加したという草なぎは、「韓国ならではの、家族を大事にする気持ちや愛情深さが凝縮されている。日本人と 少し違う考え方や表現に違和感を抱くこともあるが、その感覚こそが僕が韓国にはまる理由。楽しみながら翻訳できた」とコメントしている。

 本書は2/14付BOOK部門で11位に初登場、初週で1.6万部を売り上げた。30~40代女性を中心に読者層は広がっており、「草なぎへの興味から 手にとったが、読んでいるうちに話に夢中になった」「世の中の人みんなが読んだら、殺伐とした時代の空気が変わりそう」など、多くの人の心に感動を残して いる。飯島氏は、「“泣き”“家族”、そして“草なぎさん”が3大要素。数年前からの“泣きブーム”に加え、家族の温かさというテーマは普遍でありなが ら、このギスギスした時代に最も必要とされるもの。そんな作品の間口を、草なぎさんが大きく広げてくれた」と、ヒット理由を分析する。

 韓流ブームのなか、これまで写真集や映画・ドラマのムック本などがたびたびランキング上位に登場してきたが、文芸書は初。本書のヒットにより、今後は韓国の「文芸」というジャンルにも大きな注目が集まるだろう。

※草なぎ剛の「なぎ」は弓ヘンに剪


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