シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

>第83回アカデミー賞において作品賞を含む10部門にノミネートされた映画『トゥルー・グリット』で、ならず者に殺 された父親の復讐(ふくしゅう)を胸に誓う少女マティを熱演し、わずか14歳でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたヘイリー・スタインフェルドが、 本作の魅力と突然の栄誉について語った。

 長編映画デビュー作でいきなりアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたことについて、「とても信じられなかった。だってたった1年前はオーディ ションで、ガチガチに緊張しながらジェフ・ブリッジスやバリー・ペッパーと一緒に台本を読んでいたのよ!」といまだに実感がわかない様子のヘイリー。本作 の撮影で過ごした月日は、とにかくドラマチックな時間となったようで「コーエン兄弟から出演の返事をもらってから、今日までの日々は、とにかく夢みたい だったとしか言えないわ」と興奮気味に語った。ヘイリーがオーディションを受けていた当時、隣のスタジオでは彼女が大好きなテレビドラマ「Glee」の撮 影が行われており、「オーディションも楽しかったけど、ドラマのキャストたちと擦れ違ったときは、ついミーハーな女の子になっちゃった!」と素直な反応を 見せるほど、1年前の彼女は素人同然の存在だったのだ。


 しかし、前回アカデミー賞主演男優賞を受賞したジェフ・ブリッジスやマット・デイモン、ジョシュ・ブローリンという名優たちを相手に見せた迫真の 演技は、プロそのもの。撮影当時を振り返り「撮影が始まったとき、わたしはまだ13歳だった。13歳って、時に怖いもの知らずなアイデアを出したりする の。初めての長編映画だっていうのに、生意気にもたくさんの意見を出していたわ。でもコーエン兄弟も、キャストたちも、みんな温かくわたしの意見を聞いて くれた」と堂々と語る彼女には、劇中で演じたマティさながらの度胸を持っていることがうかがえる。


 本作の魅力の一つは、骨太な西部劇でありながら、思わず笑ってしまうようなシーンがたくさん出てくるところだというヘイリー。ただ、初めて完成し た作品を観たときは、「そのとき試写室にはわたしと家族とエージェントだけだったの。みんな緊張していたせいか、ユーモラスなシーンでも誰も笑わなかった のよ」と笑うどころではなかったそう。しかし「大勢の観客とプレミアで観たとき、客席のいろんなところから笑い声が聞こえてきてすごくほっとしたのを覚え ているわ」と続けた。


 彼女自身は、自分が大の男にお尻をひっぱたかれたり顔を踏みつけられたりするシーンを観るたび、撮影の様子を思い出して吹き出してしまうそう。 「だって、わたしの顔を踏みつけるシーンを撮るときのバリー(・ペッパー)なんか、本当におかしかったの! こっちが大丈夫ですって言いたくなるくらい、 『絶対痛くしないから』って何度も言ってきて……。あの場面では、バリーの両脇をスタッフが支えてなるべく重みがわたしにかからないようにし撮影したんだ けど、彼は13歳の女の子の顔を踏みつけることをとにかく怖がっていたみたいね!」と言った後で、「結局ちっとも痛くなくて、靴の底がすごく冷たかっただ けだった!」と大笑いしながら撮影を振り返った。
 
 将来は敵役を演じたジョシュの妻でもあるダイアン・レインのような女優になりたいと目標を語るヘイリー。今はアカデミー賞を受賞したときのスピーチより も、授賞式に着ていくドレスで頭がいっぱいのようで「お気に入りのドレスを着て、すてきなメイクをしてもらって、レッドカーペットを歩くのがすっごく楽し み! ジョニー・デップに会えたらいいな!」と心からうれしそうに笑った。無限の可能性を秘めた、まだまだ幼さの残る14歳の少女のこれからに大いに期待 したい。


映画『トゥルー・グリット』は3月18日より全国公開



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