いえ、冗談ではなくて。
私のお友達で阪神大震災のあとのPTSDにかかっていた(と後から告白した)人が、「ロード」を見ることで随分心が楽になったと言ってました。実は私を含め、「ロード」の大ファンにはそういう人が多いのです。震災だけじゃなくて、さまざまな喪失体験に対し癒しを与えてくれるのが「ロード・オブ・ザ・リング」という作品なのです。は癒しを与えてくれるのです。

そもそもあの映画が大ヒットしたのは911の後だったからだと私は思ってます。アメリカを筆頭に、あの時、飛行機がビルに突っ込むのを見た人達は、例えそれがテレビを通じた映像だったとしても、心に深い傷が残りました。あのやりきれない喪失感を救ってくれたのが「ロード」だったのですよ。

あの映画の登場人物達は何度も深い喪失を味わいながら、そのたびに立ち上がり、そして前に進み続けるのです。それも全然自分のためなんかではなく、他の全ての人達のために。何度となく涙を流しながら、それでもくじけず、世界がこのまま美しく在るように歩き続け、戦い続ける。

悲惨な映像によって傷ついた心は、美しい映画によって治してください。といってもとても長い作品なので見続けるのは大変かもしれませんが(でも原作を読破するよりはずっと早くすみます)。計画停電にひっかからないように、ようく計画をたててご覧になってくださいませ。


Who killed Cock Robin?
もう立てないと思ったフロドにガラドリエルの手がさしのべられる。
大丈夫、まだもう一回立てる、最後までやり遂げられると目が語る。
そこにいるはずもない方なのに。