夕刊フジ

民放各局は11日午後2時46分の地震発生直後から緊急特番を組み、以降終日にわたる報道特番を編成している。民放テレビ各局とも各系列局の応援含め、それぞれ200人規模が現地で取材。報道系だけでなく全社的な体制で取り組み、かつてない規模の編成で、当初はCM、バラエティー、ドラマなどを一切抜きで報道に徹した。

 しかし、日が経つにつれ、「こんなときこそバラエティーやドラマを見て、ほっとしたい」といった視聴者の声が各局に寄せられているという。「不謹慎」というそしりを受けないように、慎重に検討を重ねながら、番組編成を徐々に、元に戻しつつある。

 15日には、お笑いタレント、明石家さんま(55)の「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系、午後7時56分)が視聴率15・3%をマーク。同時間帯のNHKニュース(午後8時)の20・3%に次ぐ関心を見せた。

 また、各局で連続ドラマの延期が続く中、女優の仲間由紀恵(31)と檀れい(39)が共演するのフジテレビ系「美しい隣人」(午後10時)の最終回が13・9%。アイドル、関ジャニ∞のバラエティー番組「ありえへん∞世界」(テレビ東京系、午後7時)は、通常の倍以上の11・8%を記録した。

 芸能プロダクション側も対応に苦慮しながら、被災者支援の募金活動とともに、テレビや舞台でのタレント活動を再開し始めている。吉本興業の大崎洋社長は、被災者へのお見舞いの言葉とともに、震災への思いをこう綴っている。

 「『笑い』のあるところには、必ず、希望が生まれます。『こんなときにあほやな』『考えなしやな』と言われるかもしれませんが、わたしたちは、こんなときだからこそ、希望に光を当てていきたいと真剣に願っております。私たちはみなさまの笑顔に育てられてきた『笑い』の会社です」

 未曾有の大災害は、エンターテインメントの力が試される時でもある。

 ※視聴率はビデオリサーチ、関東地区調べ

最終更新:3月17日(木)16時57分