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〈Q&A〉放射線 どれだけ浴びると悪い影響?

■100ミリシーベルトでがんリスク5%増

 Q どれだけ放射線を浴びると体に悪影響があるの。


 A 放射線による健康への影響には、すぐに現れる急性症状と、時間がたってからがんになるかもしれない長期的な影響がある。


 急性症状は1千ミリシーベルトを超える放射線を浴びると現れ、吐き気や嘔吐(おうと)の症状が出る。これに比べて、水や食べ物を通じた放射線の量はずっと少なく、長期的な影響が心配されている。


 その影響は、広島・長崎の被爆者に対する長期調査などをもとに研究され、国際放射線防護委員会(ICRP)によると、100ミリシーベルトの被曝(ひばく)でがんになるリスクが5%増える、としている。100ミリシーベルト以下では、リスクが高くなるという明らかな証拠は認められていない。


 がんの発病は、喫煙や生活習慣といった条件も関係する。100ミリシーベルト以下では、こうした要因と分けて分析できないくらい放射線の影響度が小さいとされる。「少量の放射線が健康への問題を引き起こすとは考えられない」と専門家が言うのはこのためだ。



 Q 飲料水は、国際的な基準と比べて日本が緩いとも聞くけれど。


 A 飲用水に関する世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、放射性物質の濃度を1リットルあたり10ベクレルと設定している。ただ、WHOは「これは一生涯の摂取量を考える際に設定したもので、原子力事故には適用するべきではない」と説明。日本の基準の300ベクレル(乳児は100ベクレル)は「国際基準も考慮して健康被害を防ぐのに十分」としている。



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