ジェット・リーがノーギャラ、ノーアクションで自閉症の子の父演じる『海洋天堂』日本公開決定 音楽は久石譲

シネマトゥデイ

アクションスターのジェット・リーが、脚本に感動しノーギャラで出演を決めたという父と子の感動作『海洋天堂』がついにこの夏、日本で公開されることが決まった。常に出演作でキレのあるアクションを披露してきたジェット・リーだが、今作では一切アクションは行わないという。

 映画『海洋天堂』は父と息子のきずなを描き大ヒットを記録した『北京ヴァイオリン』の脚本家、シュエ・シャオルーが脚本だけでなく監督にも初挑戦。父と自閉症の子どもとのきずながテーマでノスタルジックな異国情緒が漂うチンタオを舞台に、親が子を想う気持ちを描いた、さわやかな感動が残る珠玉のドラマ。その内容のすばらしさから、本作の日本公開を強く望む自閉症の方の家族やジェット・リーのファンが「ジェット・リーの『海洋天堂』を観たい」という署名活動を行ったことも話題になっていた。

 いまやハリウッドからもオファーが絶えない世界的な大スターのジェット・リーが、脚本を読み、あまりの感動にノーギャラで出演を決めたという本作で、アクションを封印し抑えた演技を披露する姿は素朴で切なく、観る者の胸に迫る。撮影はクリストファー・ドイル、音楽を久石譲が担当するなど、一流のスタッフが集結した本作は、美しい水族館の映像と、澄んだ音楽が、映画を最上級のドラマに仕立て上げている。

 物語は、ジェット・リー演じる水族館に勤務するワン・シンチョンと自閉症の息子を中心に描かれる。妻と死別後、自閉症の息子ターフーを男手ひとつで育ててきたが自分が、がんに冒され余命わずかだと知り、息子を預かってくれる施設探しを始める。そして父にはまだ息子に伝えるべきことが残っていた。

 またジェット・リーはスマトラ沖地震で被災して以来、国境を越えた人々が助け合う姿に感動し、スマトラ沖震災復興支援の基金を立ち上げ熱心に慈善活動に励んでいることも有名だ。東日本大震災の復興支援にもいち早く寄付を表明している。そんなジェト・リーの主演作である『海洋天堂』も、リーの意思を受け継ぎ今回の映画の登場人物が自閉症であることから、被災地の自閉症の方と家族を支援する全国共通チャリティーペアチケットを4月1日から発売している。(編集部・下村麻美)

映画『海洋天堂』は2011年夏に公開



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