オダギリジョー、カンヌに登場!チャン・ドンゴン、ファン・ビンビンと日・韓・中の主要キャストそろう
シネマトゥデイより(以下一部抜粋)>俳優オダギリジョーと韓国人俳優チャン・ドンゴンが共演する韓国映画『マイウェイ』の製作記者会見が現地時間15日、第64回カンヌ国際映画祭が行われているフランス・カンヌ市内で行われた。会見には、オダギリ、ドンゴンのほか、中国女優ファン・ビンビン、カン・ジェギュ監督と、日・韓・中の三国のスタッフが勢ぞろいし、この3か国語に英語も飛び交うという国際プロジェクトらしい華やかな場となった。
同作品は、『シュリ』や『ブラザ-フッド』で知られるカン・ジェギュ監督が、3度、戦争で人生を翻弄された人々を描く超大作。物語は、米国の国立公文書館で発見された、第2次世界大戦のノルマンディ上陸作戦で、ドイツ軍の軍服を着た東洋人の一枚の写真がきっかけで生まれた。日本占領下の朝鮮半島で、少年時代、走ることでライバル同士だった辰雄(オダギリ)とジュンシク(ドンゴン)が、何の因果か、中国、ソ連、ドイツ、そしてノルマンディまで過酷な戦場を通して、固いきずなを結ぶまでの激動のドラマだ。
製作費は韓国映画史上最高額の300億ウォン(約21億円 1ウォン=0.07)が注ぎ込まれ、昨年10月から韓国で撮影を開始。カンヌ後には、ラトビアに飛んで引き続き戦争シーンを行い、6月末のクランクアップまで約8か月の長期に渡って撮影が行われる。
オダギリは「毎日、死にそうになりながら7か月間、韓国で撮影を行ってきました。残りはあと1か月ですけど、まだまだ死にそうな日が続きそう。これだけ苦しい目に役者が遭う映画も珍しいのでは。その分、皆さんは(映画を)楽しめると思います」と自虐的に語り、会場を沸かせていた。
記者からは「国籍も文化も、言葉も違うキャストたちがどのようにコミュニケーションをとっているのか?」との質問が飛んだ。映画『PROMISE プロミス』でアジアのスターたちと、映画『ロスト・メモリーズ』で俳優仲村トオルと共演経験のあるドンゴンが「言葉は重要ではありません。大切なのは感性と感情です」と答えれば、同じく海外作品への出演が多いオダギリも「役者にとって、芝居をすること、そのものがコミュニケーションになります。それに、ドンゴンさんは優しいし、ファンビンさんはキレイ。それだけで、十分コミュニケーションがとれると思います」と笑わせた。続いてファンビンも「アイコンタクトとボディランゲージで。でもドンゴンさんがいつも、『疲れた?』と聞いてくださるので、その韓国語だけは覚えました」と答え、息のあったところを見せていた。
また、いまだ歴史問題を引きずっている3か国の俳優を集め、第2次大戦を舞台にどんなメッセ-ジを世に放つ作品になるのか興味は尽きないが、ジェギュ監督は「戦争に勝ち負けで語るのではなく、その歴史の渦の中で、一人の人間を理解し絆を結ぶという、希望を描きたい」と強調した。(取材・文:カンヌ・中山治美)
映画『マイウェイ』は2012年新春日本公開