『アバター』以上の3Dクオリティー!日本で世界初披露された『トランスフォーマー』最新作の3Dはまさに世界最高峰映像

シネマトゥデイ

>スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督のタッグが作り出した『トランスフォーマー』シリーズ最終章となる『トランスフォーマー/ ダークサイド・ムーン』が3D映像で、8分45秒のオープニング映像と6分55秒の本編ダイジェストとして日本で世界初公開され、そのクオリティーの高さに誰もが驚いた。

 『アバター』に始まった3D映画ブームは3D映画を世に増産し、中にはもともと2Dで撮影した映像を3Dで見せるという粗悪な映像の映画も多かった。しかし、監督のマイケル・ベイによるとこの映画『トランスフォーマー/ ダークサイド・ムーン』は多くのカットをジェームズ・キャメロン監督が『アバター』で使用した3Dカメラで撮っており、「全体の65パーセントを3Dカメラで撮影、複雑なシーンは35ミリで撮った後で3D変換した」という。「過去最高の3Dであることをわたしが保証します」と自信満々で語ったとおり、3D映像の出来は、繊細でありながらダイナミック、そして3Dの基本である遠近感の表現がいままでの3D映画とは格段に違っていた。

 公開された8分45秒のオープニング映像の冒頭はアポロの月面着陸から始まり、そこに眠る未知の金属生命体らしき物体にフォーカスされる。ケネディ大統領が映し出される映像も挟まれ、物語の内容はとてもシリアスなことを予感させるのだが、そんなことを忘れるほど3D映像に映し出されるメカニックの質感と奥行きに圧倒される。メカニックの内部が映し出されると急速にパンするカメラ、そのスピード感に観客の目はくぎ付けになってしまう。圧巻なのが、本編の一部として公開された映像で、恐らく月面着陸から40年たった現代に宇宙からの侵略者が訪れて街を破壊していく様子を表したもの。無数に群がるさまざまな種類の未知の金属生命体が空に川に海にビルにとうごめく姿はそれぞれが異なる動きとスケール、質感をもって描かれる。それはまさに3D映像への挑戦ともとれる。また、シャイア・ラブーフがもはやペット化したといっていいバンブルビーに乗り込み疾走するシーンでは一度衝撃でバラバラになったメカニックがトランスフォームしてそのまま車になるという状況を一つ一つのパーツをごまかすことなく見せ、壊れることで物の奥行きを感じさせ、パーツの一つ一つを見せることで質感、そしてシャイアが車に乗っている状態に戻ることで重量感と演出の仕方一つとっても3D映像を意識している。

 3D映像はもともと物体の立体感、奥行き、それに伴うスケールをリアルに感じさせるところにその醍醐味がある。『トランスフォーマー』はまさに巨大なメカニックと人間たちというスケールを最も体感させる映画であり、題材自体がぴったりだ。マイケル・ベイはもともと映像に奥行きを持たせることに重点を置いて撮影する監督なだけに、ジェームズ・キャメロンから1年かけて学んだ3Dの手法は最大限に生かされ『トランスフォーマー』シリーズの最終章にふさわしいハイクオリティーの映像を生み出すことに成功している。さらにその映像は『アバター』のクオリティーを超えたといっても過言ではない。

 というのも『アバター』がほぼ全編ブルースクリーンとCGの合成という仮想空間での撮影だったのに対し、マイケル・ベイは撮影をロケで行い実写を多用している。本物の車を破壊し、ビルに火薬を仕掛けたことで、ロケの現場となった街では「マイケル・ベイに街が破壊される!」と悲鳴をあげている人がいたほどだ。もちろん、オートボットやメカニックはCGが大部分になるが、そこも実物の車と巧みに組み合わせているためその質感は、CGにありがちな軽さがなく、重量感を表現できている。

 スタジオでなくロケに重点を置くマイケル・ベイは、世界各地で大規模なロケを敢行。トランスフォーマーたちがどこでどのようにトランスフォームするかも見どころの一つ。出演は主役シャイア・ラブーフほか、新ヒロインのロージー・ハンティントン=ホワイトリー、シリーズを通して出演するジョシュ・デュアメル、本作に初出演のジョン・マルコヴィッチ、パトリック・デンプシーなど演技派たちのユニークなキャラクターにも注目だ。



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