映画.comより(以下一部抜粋)

>J・J・エイブラムス監督・脚本の話題作「SUPER8 スーパーエイト」をプロデュースしたスティーブン・スピルバーグが、同作をJ・J・エイブラムスらしさが詰まった傑作だと絶賛した。

「SUPER 8 スーパーエイト」特集

 ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、エイブラムスとスピルバーグとの関係は1982年にさかのぼる。スーパー8フィルムというフォーマットを用いた8ミリ映画づくりに夢中になっていたエイブラムスは、15歳のときに8ミリ映画の映画祭に出品。この映画祭を通じて、のちに「フェリシティの青春」や「クローバーフィールド」でともに仕事をすることになるマット・リーブスと親友になり、新聞で大きく報じられた。

 この記事を目にしたのが、映画プロデューサーで、当時はスピルバーグのアシスタントだったキャスリーン・ケネディだった。エイブラムスとリーブスに、スピルバーグが10代のころに撮影した8ミリ映画2本の修復を依頼。エイブラムスによれば、ひとつは61年製作の短編「Escape to Nowhere」で、子どもたちが軍服を着て銃撃戦をするという第2次世界大戦もの。2本目は64年の「Firelight」で、エイリアン拉致の恐怖におののく街を描くSF映画だったという。

 修復作業でハリウッドへの道が開けたわけではないものの、スピルバーグが自分と似た稚拙な作品を撮っていたことを知り、大きく勇気づけられたとエイブラムス監督は言う。それから20年近く経過し、エイブラムスは人気テレビクリエイターとして頭角を現すことになるわけだが、スピルバーグはエイブラムスのキャリアをずっと見守っており、「スター・トレック」の監督を引き受けるべきかどうか悩んでいるときも、ぜひやるべきだと助言したという。

 「SUPER 8」の企画をエイブラムスから持ちかけられたのは2年前で、スピルバーグはその場でプロデュースを決めたという。同作の魅力について、スピルバーグは「J・Jはテレビと2つの大作映画で監督としての経験はたっぷりある。でも、身勝手なことを言わせてもらえば、これこそJ・Jのデビュー作品だと思う。彼のハートから生まれた映画だから。続編でもフランチャイズでもなく、オリジナル脚本をもとに映画化している。これぞ、ピュアなJ・Jだよ」

 「SUPER 8」は、「ジョーズ」や「未知との遭遇」「E・T」などスピルバーグ作品へのオマージュで満ちているが、この点は特に気にならないと言う。「僕らはみんな、自らの映画体験に影響を受けている。僕自身は、ウォルト・ディズニーやアルフレッド・ヒッチコック、デビッド・リーンの影響を受けた。自分が成長期に見た映画の影響を受けてしまうものなんだ。僕はJ・Jが成長期に見た映画作家のひとりに過ぎず、確かに『SUPER8』には『E・T』や『グーニーズ』などの影響が見られる。ロブ・ライナー監督の『スタンド・バイ・ミー』なんかと一緒にね」