(ツイートより再掲)

「127時間」見てきました。これはもう、どっこも文句のつけようのない、さすがダニー・ボイル、さすがジェームズ・フランコな作品。

ダニー・ボイル監督といえば、いつも極限状況にあって辛くも生き延びる主人公を描いているわけですが、その「極限状況」が作品ごとに違ってバリエーション に富んでいるのですね。「127時間」を見てて思い出したのは「サンシャイン2057」。ジェームズ・フランコがクリス・エヴァンスに見えました。

「サンシャイン2057」の主人公はキリアン・マーフィーですが、これはいわば群像劇なので、宇宙船のクルー全体が「127時間」の主人公一人にあたる感 じかなあ。対象が絞られている分、「127時間」の方が分かりやすくておもしろいというのはありますね。何より実話だし。

「サンシャイン」も「127時間」も、避けられたはずの危険に自ら突っ込んでいった故に起こる悲劇というか悲惨な体験を描いているのです。その、危険と分 かっているのにわざわざ向かっていってしまう人間の心理をね、ダニー・ボイル監督は克明に描くのですよ。飛んで火にいる夏の虫と同じ心理ですね。

虫は火に入ったらそれでおしまいですけど、人間はそこからいろいろ考えます。「ああすべきじゃなかった」「こうすべきだった」から、「今この苦境を乗り切 るのにはどうしたらいいのか」まで。「127時間」はこの過程がすっごい早いの! この早さが実話ならではだと思いましたね。

で、状況を打破するために実行すべき事が決まったら、もう迷わない。断固としてそれをやり遂げる。それがダニー・ボイル監督の描く主人公達に共通するかっ こよさなんです。主人公だけじゃなくってメインの脇役も大体そうですが。「スラムドッグ$ミリオネア」はもう、こうと決めた所から話が始まってたし。


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