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 SF大作「SUPER 8 スーパーエイト」でスティーブン・スピルバーグと初めてタッグを組んだJ・J・エイブラムスが、同作に込めた思いや巨匠スピルバーグとの仕事について語った。

映画評論家、映画ライターは「SUPER 8 スーパーエイト」のここに注目している!

 同作は1979年、米空軍の秘密施設エリア51から“何か”を輸送していた列車の事故をきっかけに、偶然その模様を8ミリカメラで撮影してしまった6人の少年少女たちが、“未知との出合い”を経験する物語。興収ランキング初登場No.1を記録した全米では、すでに“21世紀版「E.T.」”との呼び声も高いが、出発点はスピルバーグを意識したものではなかった。

 「この映画は、スーパー8フィルムで映画を作っていた子どもたちのことを語りたいという気持ちから生まれたもので、もともと自伝的な要素のあるアイデアだった。でも結果的には、僕が少年時代に夢中になっていた作品に対するオマージュになっていると思うよ(笑)」。少年たちがひと夏の冒険を通して成長し、再生していく姿を描く構成はジュブナイル映画の王道だが、その語り口はあからさまな焼き直しではない。スピルバーグ映画などの洗礼を受けて育った少年エイブラムスが、それらを解釈・継承し、愛を込めて自分なりの新しいSFファンタジーとして再構築している点がポイントだ。

 「僕の好きな映画がすべて1つになったような作品だ。ラブストーリー、ドラマ、コメディ、青春ストーリー、アドベンチャー、モンスター、すべてが合わさっているのさ。これはアンブリン社(スピルバーグが82年に設立した映画・TV番組の制作会社、アンブリン・エンタテインメント)の作品の特徴だよね」

 今回、スピルバーグ印などの“ブランド”がありながら、宣伝では“黙秘”を貫いたエイブラムス。だが、そこにはエイブラムスならではのポリシーと自信があった。

 「何もかも秘密にしたかったわけじゃなくて、観客の好奇心を煽りたかったのさ。ハリウッドにはシリーズものや、コミックや小説、ほかの映画を元にしたリメイク映画がたくさんあって、この夏の大作を見ていても、そうじゃない作品は本当に少ない。だから、僕の(すべてがオリジナルの)映画が受け入れられる余地はあるような気がしているよ」

 「SUPER 8 スーパーエイト」は6月24日全国公開。