>「うちのかみさんがね…」の名ゼリフが印象的な人気テレビドラマ「刑事コロンボ」シリーズの主役を演じた米国の俳優、ピーター・フォークさんが23日、 米ロサンゼルス・ビバリーヒルズの自宅で死去した。家族が24日、ロサンゼルスのKNXラジオに明らかにした。83歳。詳しい死因は伝えられていないが、 アルツハイマー病で闘病していた。

 ピーターさんは1927年、ニューヨーク生まれ。50年代にブロードウェーの舞台で注目され、58年に映画デビュー。60年の映画『殺人会社』と翌年の『ポケット一杯の幸福』でアカデミー賞助演男優賞に2回ノミネートされ、演技派俳優としての地位を築いた。

 その名が世界中に知られるようになったのは、68年から10年間続いたドラマ「刑事コロンボ」。トレードマークのレインコート姿で、とぼけた表情の裏で 実は鋭い推理を発揮して犯人を追い詰める役柄は生涯の当たり役となり、テレビ界の最高賞エミー賞を4度受賞。89年からは新シリーズも制作・放送された。

 日本でも70年代からたびたび放送され、とりわけ、吹き替えを務めた俳優・声優の故小池朝雄さんの名調子も手伝って大ヒット。「うちのかみさんがね」は流行語となった。

 晩年まで映画、ドラマに精力的に出演してきたが、3年前にアルツハイマー病を発病。当時の担当医は「彼がコロンボさえも覚えていないことを非常に残念に思う」とコメントしていた。