不謹慎だと非難ごうごうな映画『ムカデ人間』がまさかの大ヒット!?劇場は超満員スタート!つながって来場しムカデ割引を受けた人も!

シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

2日、人間の肛門と口を結びつけるという驚きの内容で、世間からは不謹慎だと非難ごうごうなカルトホラー『ムカデ人間』がいよいよ初日を迎え、本作でムカデ人間1号を演じたハリウッド在住の日本人俳優、北村昭博が超満員の観客と共に大ヒットスタートを祝った。

映画『ムカデ人間』写真ギャラリー

 『ムカデ人間』は2010年2月27日、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で日本初上映。会場では、このあまりにも「ヤバ過ぎる映画」に興奮した観客がムカデ人間姿で大盛り上がりとなるなど、伝説の映画として語り継がれてきた。日本ではある意味、ゆうばりからこの映画が始まったと言っても過言ではないわけだが、北村も「ゆうばりのおかげですよ! またゆうばりに行きたいです」と、『ムカデ人間』を日本に紹介した映画祭ディレクターで映画評論家の塩田時敏氏に感謝していた。

 超満員となったこの日の客席には園子温監督の姿も。北村は園監督を兄貴分のように慕っているようで、「僕はハリウッドで活動してきましたけど、園監督とか、日本の才能あふれる監督と一緒に仕事がしたいんです。みんなでムカデ人間みたいにつながって日本映画を盛り上げたいんですよ!」と日本映画に対する熱い思いを切々と語った。

 肛門と口を結びつけるというムカデ人間のアイディアはどこから生まれたのか。「(本作のメガホンをとった)トム・シックス監督がテレビを観ていたときに、子どもをレイプした犯人が出てきたらしいんです。その卑劣な犯罪に怒った監督は、『この犯罪者は最悪な奴だからトラックのケツにくっつけてしまえ!』と思ったんですけど、ふと我に返って、『待てよ、これって、ホラー映画にぴったりじゃないか、ということで『ムカデ人間』が生まれたと聞きました。最初にトラックが出てくるのもそういうことみたいですよ」とこの強烈なアイディアが生まれた理由が監督の正義感(?)だったことが明かされると、会場のムカデファンたちは感嘆の声をあげた。

 世界各国でムカデブームを巻き起こしている本作だが、イギリスでは「主人公の妄想による性的暴力行為が過激だ」という理由で、本作の続編『ザ・ヒューマン・センティピードII(原題)/ The Human Centipede II (Full Sequence)』の上映およびDVD発売が禁止された。この過激だという続編はどのような内容なのか気になるところだが、北村は「言えないんですよ。2のことを言ったら、ムカデ人間にするぞと言われてるんで」とコメントし、会場を笑わせた。

 本作は、シャム双生児分離手術の専門医として活躍した外科医が、生涯の夢だった人間同士をつなぎ合わせて“人間ムカデ”を作り上げようとするカルトホラー。上映館となる渋谷のシネクイントでは、劇中のムカデ人間さながらに、包帯で3人の体の一部を「つなげる」だけで鑑賞料金が1000円に割り引かれる「ムカデ割引」が実施されているが、この日、ムカデ割引を受けた人たちは手と手を包帯でつないだという2組。開場前のロビーがあまりにも混雑していたために、四つんばいになった3人が包帯でつながるという「上級者スタイル」は物理的に難しかったようだ。いずれはポラロイドでムカデ姿を撮影した「ムカデギャラリー」を設置しようという案もあるようで、今後、「上級者」の登場にも期待がかかる。(取材・文:壬生智裕)

映画『ムカデ人間』は渋谷シネクイントで公開中

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