そういえば有名タレントのCMが少なくなった。東日本大震災前までは食品、お菓子メーカーのCMで有名俳優、人気タレントたちが愛想を振りまいていたが、ここにも深刻な影響が出ている。

 そもそもCM業界は、ここ数年、予算が右肩下がり。ギャラの高い有名タレントたちのCM起用は半減していた。そこに大震災と福島の原発事故が襲った。 「徹底した企業の自粛策とCM予算の縮小によって、数年前に比べると制作費が半分から3分の1以下まで激減しています。大物タレントを起用する予算などな くなった」と大手広告代理店幹部。

 その穴を埋めるため、アイデア勝負に。

 「夏の風物詩の蚊取り線香のCMでは、大阪の太ったおばちゃん達が体で渦巻パフォーマンス。ほのぼのとした子役の起用も増えています」(制作会社スタッフ)

 震災の影響でCMから声がかからなくなったのは、ギャラが2000万~3000万円の大物クラス。ゴールデンタイムのドラマで主役を張る俳優やバラエ ティー番組の司会を務める人気お笑いタレントらが、このゾーン。それ以上の年間契約料が1億円を超えるクラス、大リーガーのイチローや女優の吉永小百合ら は別格扱いだという。

 ドラマ出演の人気俳優を数多く抱えるある大手プロ幹部は、「ギャラを下げても仕事は来ない。復興のチャリティーイベントなどで、顔つなぎをして、アピールしているのですが…」と頭を抱えている。