BARKS
7月18日(月)0時5分配信
>TAIJIこと沢田泰司が、2011年7月17日に息を引き取った。45歳だった。
7月11日、サイパン島に向かうデルタ航空298便機内で暴力行為をはたらいたTAIJIは、機内で拘束を受け、そのままサイパン現地警察により逮捕された。拘留中にシーツで首を吊り意識不明の重体に陥ったのはその3日後のことだった。
サイパン現地病院のICUにて治療を受けるものの、ついに戻らぬ人となってしまった。
1986年から1992年までの6年間のX時代は、YOSHIKIとHIDEの作る作品とは、また方向性の異なるアメリカンで骨太な作品を生み出し、Xの作品の幅と重さをバンドにもたらした。『Jelousy』で聞かせる「Desperate Angel」はそれまでになかった雄大さとミドルテンポでXに新たな魅力を与え、「Voiceless Screaming」では、極上のバラードとしてライブでも多くのオーディエンスの涙を誘うものだった。
X脱退後は、憧れの高崎晃と合流、LOUDNESS加入というセンセーショナルな活動をスタート。レコーディング直前の加入となったため、TAIJI作曲の作品こそなかったが、アルバム『LOUDNESS』では高崎晃と見事なユニゾンを見せるテクニカルプレイを存分に発揮、プレイヤーとしての輝きは、よりまぶしく、多くのベーシストに影響を与える存在となった。
その後自らのバンドD.T.R(DIRTY TRASH ROAD)、Cloud Nine、SKULL TRASH ZONEなど、様々な活動を行ないながら、2010年8月14日、15日にはX JAPANの日産スタジアムのステージに登場、キラーのフェニックスを抱え約18年ぶりにXのステージに立ち、旧友とのアンサンブルでオーディエンスを感動させた。
TAIJIは、卓越したプレイヤーとしてのテクニックと感性を携え、大陸のような大きく重いドライブ感を繰り出すことのできる稀有なベーシストであった。ギタリストとしての素養も高く、それは作曲センスやリフ作りにも大きな影響を与え、前線に出る華やかなスポットライトにも、バックエンドを支える屋台骨としての縁の下の力持ちにもなれる、振れ幅の大きなアーティストでもあった。
X時代に苦楽を共にしたYOSHIKIも、突然の悲報に「未だ信じられない」と激しく動揺しており、それ以上のコメントを発することもできない状況だ。TAIJIが命を落とさなければならなかった理由は何なのか、現時点では詳細はわからず、その点はロサンゼルスでスタジオにこもっていたYOSHIKIにとっても全く同じ状況である。
X JAPANはアルバム制作の最後の大詰めにいる。ヨーロッパでの成功を手にし、最高のコンディションの下で世界を見据えたアルバムを全精力を掛けて作り上げようとしているところだ。ここに至るまでには、日産スタジアムでの再会に至ることになった、2010年のYOSHIKIとTAIJIの再会と友情の再確認があった。その証が共に日産スタジアムのステージに立つことでもあったし、もしかしたら今後、更なるコラボレーションの可能性も秘められていたかもしれない。
YOSHIKIが惚れこんだ最初のベーシストTAIJIは、今、天に昇った。YOSHIKIの心にはぽっかりと大きな穴が開いてしまっていることだろうが、どうかその悲しみを乗り越えて、X JAPANはその進むべきステージに邁進して欲しい。TAIJIは、Xに名曲としびれるようなパフォーマンスを残した。そしてXを去った後も、誰よりもXを愛し、Xを誇りに思う男だったのだから。
TAIJIよ、永遠なれ。今夜は「Voiceless Screaming」を流し続けよう。
text by BARKS編集長 烏丸
>TAIJIこと沢田泰司が、2011年7月17日に息を引き取った。45歳だった。
7月11日、サイパン島に向かうデルタ航空298便機内で暴力行為をはたらいたTAIJIは、機内で拘束を受け、そのままサイパン現地警察により逮捕された。拘留中にシーツで首を吊り意識不明の重体に陥ったのはその3日後のことだった。
サイパン現地病院のICUにて治療を受けるものの、ついに戻らぬ人となってしまった。
1986年から1992年までの6年間のX時代は、YOSHIKIとHIDEの作る作品とは、また方向性の異なるアメリカンで骨太な作品を生み出し、Xの作品の幅と重さをバンドにもたらした。『Jelousy』で聞かせる「Desperate Angel」はそれまでになかった雄大さとミドルテンポでXに新たな魅力を与え、「Voiceless Screaming」では、極上のバラードとしてライブでも多くのオーディエンスの涙を誘うものだった。
X脱退後は、憧れの高崎晃と合流、LOUDNESS加入というセンセーショナルな活動をスタート。レコーディング直前の加入となったため、TAIJI作曲の作品こそなかったが、アルバム『LOUDNESS』では高崎晃と見事なユニゾンを見せるテクニカルプレイを存分に発揮、プレイヤーとしての輝きは、よりまぶしく、多くのベーシストに影響を与える存在となった。
その後自らのバンドD.T.R(DIRTY TRASH ROAD)、Cloud Nine、SKULL TRASH ZONEなど、様々な活動を行ないながら、2010年8月14日、15日にはX JAPANの日産スタジアムのステージに登場、キラーのフェニックスを抱え約18年ぶりにXのステージに立ち、旧友とのアンサンブルでオーディエンスを感動させた。
TAIJIは、卓越したプレイヤーとしてのテクニックと感性を携え、大陸のような大きく重いドライブ感を繰り出すことのできる稀有なベーシストであった。ギタリストとしての素養も高く、それは作曲センスやリフ作りにも大きな影響を与え、前線に出る華やかなスポットライトにも、バックエンドを支える屋台骨としての縁の下の力持ちにもなれる、振れ幅の大きなアーティストでもあった。
X時代に苦楽を共にしたYOSHIKIも、突然の悲報に「未だ信じられない」と激しく動揺しており、それ以上のコメントを発することもできない状況だ。TAIJIが命を落とさなければならなかった理由は何なのか、現時点では詳細はわからず、その点はロサンゼルスでスタジオにこもっていたYOSHIKIにとっても全く同じ状況である。
X JAPANはアルバム制作の最後の大詰めにいる。ヨーロッパでの成功を手にし、最高のコンディションの下で世界を見据えたアルバムを全精力を掛けて作り上げようとしているところだ。ここに至るまでには、日産スタジアムでの再会に至ることになった、2010年のYOSHIKIとTAIJIの再会と友情の再確認があった。その証が共に日産スタジアムのステージに立つことでもあったし、もしかしたら今後、更なるコラボレーションの可能性も秘められていたかもしれない。
YOSHIKIが惚れこんだ最初のベーシストTAIJIは、今、天に昇った。YOSHIKIの心にはぽっかりと大きな穴が開いてしまっていることだろうが、どうかその悲しみを乗り越えて、X JAPANはその進むべきステージに邁進して欲しい。TAIJIは、Xに名曲としびれるようなパフォーマンスを残した。そしてXを去った後も、誰よりもXを愛し、Xを誇りに思う男だったのだから。
TAIJIよ、永遠なれ。今夜は「Voiceless Screaming」を流し続けよう。
text by BARKS編集長 烏丸