> 清涼飲料が最も売れる夏の需要をにらみ、従来は500ミリリットル前後だったペットボトル入りミネラルウオーターの増量を飲料メーカー各社が競ってい
る。「お得感」をPRして、節約志向からくる消費者の買い控えを防ぐとともに、節電で水分摂取の需要が高まる時期に炭酸飲料など他ジャンルの清涼飲料との
差別化を図る狙いがある。
「『あとちょっと飲みたい』という需要に応えた」。サントリー食品は今シーズン、これまで500ミリリットルだった「サントリー天然水」シリーズを 550ミリリットルにアップした。増量を機にボトルを手でたためるようにも改良。震災時の需要が一段落した6月も、前年比で2割以上の売り上げを維持して いる。
サントリーに続き増量に踏み切ったのは日本コカ・コーラ。「い・ろ・は・す」を520ミリリットルから555ミリリットルに増やし、5~6月の売り上げ を前年比1.5倍とした。もともとボトルは2009年の発売当初から増量を視野に設計。消費者向け調査でも「容量の多い方が好まれる」との感触を得て踏み 切った。
相次ぐ増量の背景には、ミネラルウオーターを取り巻く市場環境の厳しさがある。
矢野経済研究所の調査によると、飲料市場規模は07年度の約5兆円をピークに年々縮小、09年度には約4兆8000億円を下回った。10年度は猛暑で持 ち直したが、スポーツドリンクや炭酸飲料などの牽引(けんいん)が大きく、ミネラルウオーターは前年比マイナスに沈んだ。
苦戦の要因はリーマン・ショック以降、顕著になった消費者の節約志向。水道水でも代用できるミネラルウオーターは節制の対象となり、炭酸飲料などに需要を奪われていた。そこで各メーカーは増量による「お得感」を前面に出し、需要喚起を図る戦略に打って出ている。
節電需要が本格化する中、増量幅は拡大の一途をたどる。大塚食品は「クリスタルガイザー」のコンビニエンスストア販売用を500ミリリットルから一気に 650ミリリットルへ大幅アップ。さらに、スーパーなどで販売する500ミリリットルバージョンを10円値下げして100円とする「二正面作戦」を展開す る。
650ミリリットルのターゲットはコンビニを利用する機会が多く、水分摂取量の多い20~40代の男性。最近、通勤電車の中づり広告も活発化させた。担当者は「2段構えで男性と女性、双方にアピールできる」と手応えを口にしている。
「『あとちょっと飲みたい』という需要に応えた」。サントリー食品は今シーズン、これまで500ミリリットルだった「サントリー天然水」シリーズを 550ミリリットルにアップした。増量を機にボトルを手でたためるようにも改良。震災時の需要が一段落した6月も、前年比で2割以上の売り上げを維持して いる。
サントリーに続き増量に踏み切ったのは日本コカ・コーラ。「い・ろ・は・す」を520ミリリットルから555ミリリットルに増やし、5~6月の売り上げ を前年比1.5倍とした。もともとボトルは2009年の発売当初から増量を視野に設計。消費者向け調査でも「容量の多い方が好まれる」との感触を得て踏み 切った。
相次ぐ増量の背景には、ミネラルウオーターを取り巻く市場環境の厳しさがある。
矢野経済研究所の調査によると、飲料市場規模は07年度の約5兆円をピークに年々縮小、09年度には約4兆8000億円を下回った。10年度は猛暑で持 ち直したが、スポーツドリンクや炭酸飲料などの牽引(けんいん)が大きく、ミネラルウオーターは前年比マイナスに沈んだ。
苦戦の要因はリーマン・ショック以降、顕著になった消費者の節約志向。水道水でも代用できるミネラルウオーターは節制の対象となり、炭酸飲料などに需要を奪われていた。そこで各メーカーは増量による「お得感」を前面に出し、需要喚起を図る戦略に打って出ている。
節電需要が本格化する中、増量幅は拡大の一途をたどる。大塚食品は「クリスタルガイザー」のコンビニエンスストア販売用を500ミリリットルから一気に 650ミリリットルへ大幅アップ。さらに、スーパーなどで販売する500ミリリットルバージョンを10円値下げして100円とする「二正面作戦」を展開す る。
650ミリリットルのターゲットはコンビニを利用する機会が多く、水分摂取量の多い20~40代の男性。最近、通勤電車の中づり広告も活発化させた。担当者は「2段構えで男性と女性、双方にアピールできる」と手応えを口にしている。