ようやく「マイティ・ソー」を見る。格調の高さはケネス・ブラナー監督から自然に滲み出てくるのだろう。壮大なセットが真に迫って見えるのは美術の力も大きいけれど、やっぱりストーリーに奥行きがあってのものだ。「リディック」との違いはそこかな?

マイティ・ソー」を見ていてブラナー監督作品でふと思い出したのが「から騒ぎ」。言わずと知れたシェークスピア作品だけど、その中でキアヌ・リーブスが演 じていた役のドン・ジョンとロキには通じるものがあるなと思った。こういう人物造形を巧みに見せるのがブラナー監督の腕の冴ね。

そのロキを演じたトム・ヒドルストン、将来の名優ここに在り! って感じだった。幼さと老獪さを自在に操る表情に幻惑される。「ソー」で描かれているロキ は本来の神話のロキとは違っているけれど、その複雑な内面と秘めたる力が渾然一体となってとても魅力的なキャラクターになっていた。

Who killed Cock Robin?
ナタリーの隣がロキです。