>ろう者の女子中学生を主人公に描く青春ストーリー『あぜみちジャンピンッ!』が、カナダ・トロントの新世代シネマ フェスティバルで観客賞、京都のキンダーフィルムフェスティバルきょうとでグランプリと観客賞を受賞した。国内外の映画賞三つを同時期に受賞する快挙を成 し遂げた本作を、新世代シネマフェスティバルの代表は「『となりのトトロ』のように、みんなが心に共有すべき作品」と称えている。
『あぜみちジャンピンッ!』は、聴覚の不自由な女子中学生がダンスと出会い、喜びや挫折の中で成長していく姿を描く青春ストーリー。これまでシカ ゴ国際児童映画祭「Adult Jury Prize」長編実写部門の準グランプリ受賞をはじめ、世界の複数の映画賞を受賞してきた本作に新たな栄冠が加わり、7月23日よりカナダ・トロントで開 催されていた新旧の日本映画を集めて上映する新世代シネマフェスティバルで観客投票によるグランプリの選出において1位を獲得し、観客賞を受賞。また、8 月7日まで京都・文化博物館で開催されていたキンダーフィルムフェスティバルきょうとで、小学生からなる子ども審査員の審査によってグランプリを獲得し、 観客投票でも1位をとなり、観客賞も含めてダブル受賞を果たした。
三つの映画賞を同時期に受賞した本作について、新世代シネマフェスティバルの代表は「『あぜみちジャンピンッ!』の主人公・優紀が暮らす田舎の町 は、アニメ映画の巨匠である宮崎駿の『となりのトトロ』に描かれていた風景を思い出させる」とその作風を表現。また「キッズやティーンエイジャーを、彼ら の両親と共に映画館に呼び寄せる作品であり、『となりのトトロ』のように、みんなが心に共有すべき作品だ。子どもとその親に、おそらく何年経っても愛され る作品だろう」と評し、賛辞を送っている。
ろうの少女・優紀という難役に挑んだ大場はるかは、「感動してしまい『すごくうれしい』という言葉しか出てこないです。これらの賞は『あぜみち ジャンピンッ!』に関係してくださった皆さんで獲った賞だと思います」と心から受賞の喜びを表した。一方、本作のメガホンを取った西川文恵監督は「この勢 いを、全国での上映の足がかりに繋げたい」と意欲的なコメントを寄せた。ハンディを乗り越え、観る者に勇気を与える本作は、文字通り世界で認められるほど の感動作となっている。
映画『あぜみちジャンピンッ!』はポレポレ東中野にて公開中、9月10日より名古屋シネマスコーレにて公開