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>映画『日輪の遺産』のジャパン・プレミアが終戦記念日の8月15日(月)、物語の舞台のモデルとなった東京・稲城市にほど近い、ワーナー・マイカル・シネ マズ 新百合ヶ丘で開催。主演の堺雅人に共演の森迫永依、佐々部清監督、そして原作者の浅田次郎がレッドカーペットに登場し、舞台挨拶を行った。

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マッカーサーから奪取した財宝を、戦後復興の礎とすべく隠匿することを命じられた日本軍の少佐と何も知らずにその作戦に加担する無垢な少女たちの姿を描き 出す本作。この財宝を隠す場所として選ばれたのが、武蔵小玉市の火薬工場だが、モデルとなったのが稲城市にある旧弾薬工場で米軍の保養地となっている場 所。浅田さんが稲城市に在住していたころ、柵越しにこの地を見て、アイディアを思いついたという。

堺さんは軍人役だが、従来のステレオタイプの軍人とはひと味違った、人間味あふれる役柄を作り上げた。これについて「どなたかが演じた軍人を形だけ真似るのでは面白くない。共演者のお芝居を受けながら、この作品だからこその軍人を演じました」とふり返る。

女学生を演じた森迫さんは、同年代の女優との現場で「みんな仲が良くて、相談しながらの現場だった」と明かす。女子たちの間では、堺さんや中村獅童、福士 誠治にユースケサンタマリアなど、共演の男優陣の中で「誰が好みか?」を話し合ったこともあったそう。森迫さんによると、一番人気は「無口でクールでカッ コいい」という理由で獅童さん! これには、隣りの堺さんもがっくり。「現場で何となく、そうだろうと薄々感じてました。これを肴に今日、福士くんと電話 で話します」と力のない笑みを浮かべていた。

戦後に生まれながら、戦争をテーマにした作品を世に送り出している浅田さんだが、66回目の敗戦記念日を迎え「昭和30年代に僕が物心ついたころには、戦 争の面影はなく、いまと変わらない感じで生活していました。そのわずかな期間で復興した日本人とは? と考えて、そういう時代に生まれた私が、次の世代に 伝えていくというのは必要な仕事だろう、と思って書いています」と胸の内を明かした。

監督は、つい先ごろ、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市を訪れ、50人ほどを無料で招待して本作の上映を行ったという。被災地を歩いたという監督。 「この作品は5年ほどかけて作りましたが、いま、こうして送り届けられるということに意義があると思っています」と力強く語った・

堺さんは「他人事ではなく、地続きで歴史を捉えなくてはいけない」という浅田さんの言葉を挙げ「8月15日が私たちにとって重要なように、3月11日も重要な日になるでしょう。一人一人に思いをはせることが必要なのでは」と呼びかけた。

『日輪の遺産』は8月27日(土)より全国にて公開。