> TOKIOの山口達也(39)が25日、都内で会見し、日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH!!」(日曜・後7時)の企画として運営している福島・浪江町 にある「DASH村」を今年3月の福島第1原発事故以来、初めて訪れたことを報告した。同村は放射能の影響により政府の計画的避難地域にあるが、防護服を 着用して訪問。「もう戻れないかと思ったが、復興へのきっかけとして、どうしても行きたかった」と涙ながらに語った。

 山口がDASH村を訪れたのは7月16日と今月22日。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の長谷川克也研究員、三重大学の放射線研究者・加藤浩助教らと 足を運んだ。長時間の滞在は危険なため、放射線量の測定、土壌内の放射性物質を吸収すると言われているヒマワリの植え付けなどを約2時間で行った。

 久しぶりに訪れた同村は雑草が生い茂り、荒れ放題の状態。「手入れしていないとこんなになるんだ、と思うと、さみしくなった」と山口。ガイガーカウン ターの測定値も、文科省が発表する空間放射線量(23日時点で最高が33マイクロシーベルト)と同程度の数値を示していたという。

 3月11日の東日本大震災発生時、リーダーの城島茂(40)と同村で番組収録を行っていた。周辺の交通が遮断されたため、2000年の“開村”以来、初 めて村内の日本家屋に宿泊。翌日、一般道を11時間かけて走って東京に戻ったが、その間に原発事故が発生した。「『次はどうする?』って言っていたくらい で、気にはしてなかった。テレビの報道で初めて知った」

 原発から約25キロの場所にあるため、3月15日に計画的避難地域に指定され、常駐スタッフや家畜も避難した。「このままフェードアウトだけはしたくな い。村がどうなったのか見たい」と、再訪の計画を練っていたが、6月に宇宙空間での農業を研究している長谷川氏から「敷地内で放射性物質のデータ採集と実 験をさせて欲しい」との依頼があり、山口も立ち会うことが決定。「長谷川さんから手紙をもらうまでは『もう戻れないかな』と思っていた…。これをきっかけ に村の皆さんが戻れる日が来れば…」と涙で語った。

 訪問の模様は9月11日に放送され、番組内で測定値なども公表する予定だ。村の再生計画は今後も継続的に行う。「(安全面で)周囲は反対しないか?」と いう報道陣からの問い掛けに「そんなこと言ってると何もできない。他のメンバー? いえ、僕が行きます!」と山口。タレントという立場を超え、本気で復興 を目指す。

 ◆DASH村 「日本地図にDASHの文字を載せる」ということを目的に、2000年6月から企画がスタート。が、その後は農作業や手仕事など里山での 生活を体験する、という趣旨に変わった。混乱を避けるため所在地を公表してこなかったが、原発事故の計画的避難地域に指定されたことを受け、4月24日の 放送回で浪江町にあることを初めて発表した。

 ◆浪江町の現状 3月14日、町の東部が避難地域に指定されたことを受け、二本松市に仮役場を設置。原発から20キロ圏内は警戒区域となり、町の全域が計画的避難地域に指定されて、現在も多くの住民が避難生活を強いられているが、5月中旬から一時帰宅が開始された。