Movie Walkerより(以下一部抜粋)

>現代のサンフランシスコを舞台に、驚異的な進化を見せる一匹の猿の物語を描く『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』が10月7日(金)に公開を迎える。

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本作でジェームズ・フランコが演じるウィルは、巨大製薬会社で働く新進気鋭の科学者。ウィルは父親を苦しめるアルツハイマー病の治療薬を寝る間も惜しん で、作り続けている。そんなストイックに研究を続けるウィルを、フランコは「ウィルは冷静で孤独な男だ」と分析。ウィルは幼い猿のシーザーを育てることに なり、「ウィルは父だけでなく、この幼いチンパンジーの介護者にもならなくてはならない。ストーリーが進むにつれ、ウィルはより人間らしくなっていき、科 学者としての側面が希薄になる。(アルツハイマー病の)薬の成功よりもシーザーのことが気になっていくんだ。ウィルにとって、シーザーはペット以上の存在 で、この特別なチンパンジーの父親的存在になっていくんだ」と明かす。本作のテーマについて、フランコは「今回の作品では科学倫理についてのことが言及さ れている。この作品は技術が人間の手の及ばないところまで来てしまった時に起きてしまう悲劇的な物語。僕はこの作品が戒めの物語になりうるという考え方が 気に入っている。少し想像力を膨らませると現実の世界で“こんなことが起きそうだ”という世界を描いているんだ」と紹介する。

これらのコメントでもわかるように、あらゆる役柄に対して、鋭い視点とレベルの深い解釈をもたらすことで知られるフランコは、プライベートでは劇中のウィ ルに負けないストイックさを発揮している。小説家、脚本家、長編映画やドラマの監督としての顔を持つ彼は、休学していたカリフォルニア大学ロサンゼルス校 に復学。2008年に優秀な成績で卒業すると、ニューヨーク大学とコロンビア大学、ブルックリン・カレッジに同時入学。今年の春からは、文学博士号取得を 目指して、イェール大学の大学院に進学するなど、現在は4つの大学の大学院生としての顔も持っている。

2010年の大学の夏休み、ジェームズ・フランコは俳優業に専念し、本作の撮影のため、バンクーバーの現場にいた。『127時間』(公開中)でアカデミー 賞にノミネートされることからもわかるように、彼は複数の才能を同時に発揮することができる稀有な存在だ。ルパート・ワイアット監督は「ジェームズは非常 に変わった男で、生まれながらにして驚異的な才能を持っているんだ。演じるという本能は特に並外れた力を持っている。監督としてはある意味、狼狽させられ てしまうほどだよ」と最大の賛辞を贈っており、若手の男性俳優でスターがなかなか生まれないハリウッドにとって、彼は最大の希望の星と言えよう。

ジョニー・デップがカメレオン俳優と呼ばれているが、学業、俳優業ともに充実させているフランコはジョニー・デップ以上のカメレオン俳優かもしれない。