ところでカーペンター監督、映画は10年ぶりですがテレビドラマの「マスターズオブ・ホラー」ではメガホンとってまして、傑作を二本モノしております。「世界の終わり」と「グッバイベイビー」。あまりの恐さに生きる気力さえ奪われます。「ザ・ウォード」を見る前の予習にどうぞ。DVDで見てね。

結局カーペンターが追求しているのは「人間とは何か」「どういう存在か」といった根源的な疑問なのですよ。それに対して出てくる解がホラーにしかなりえない……しかもどんどん殺伐として暗くなる……というのが最も恐ろしい点なのかも。己を見る鏡の中にこそ真の恐怖が潜んでいるのね。