ブサイクだって、オタクだって、ヨワくたってヒーローだ!生きる勇気をくれる、映画の英雄たち大集合!-映画秘宝

シネマトゥデイ


 アメコミヒーロー映画の真打ち『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』が10月に日本公開される中、映画専門雑誌「映画秘宝」では、理不尽な世の中に打ちのめされ自信を失ったとき、生きる勇気を与えてくれる映画ヒーローを大特集。「オレたちの選ぶ映画ヒーロー大集合!」と銘打ち、見た目や職業、地位、腕っ節に関係なく、常識破りの生き様で人生を照らしてくれる英雄200人をジャンル別に紹介している。

 紹介されている英雄たちは、バットマンやスーパーマンら大物アメコミヒーローから、『ダークナイト』のジョーカー(ヒース・レジャー)に『ファイト・クラブ』のタイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)、『スカーフェイス』のトニー・モンタナ(アル・パチーノ)などのダークヒーローやアウトロー、さらに『ロボコップ』のマーフィ、『グレムリン』のギズモ(!)まで実に多種多様。もちろん、ブルース・リーや松田優作など、不滅の映画俳優たちも選出されている。

 注目なのは、見た目は悪いが、自分のプライドや生き方、かなわぬ恋のために命がけで戦うヒーローを特集した「勇気をありがとう! ブサイク・ヒーロー BEST10」(選・文 ギンティ小林)。『刑事物語』の片山刑事(武田鉄矢)をトップに、『マチェーテ』のマチェーテ(ダニー・トレホ)、『コン・エアー』のキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)など、よく見なくてもブサイクだけど、どんなイケメンヒーローよりも勇気をくれる男たちが、ユーモアとリスペクトたっぷりに紹介されている。

 長谷川町蔵氏が、『ソーシャル・ネットワーク』のマーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)らを選出した「世界を変える オタク・ヒーロー、作戦開始!」のコーナーなどもユニーク。そのほか「ヘナチョコヒーロー」「女だけどヒーロー」「口だけヒーロー」などジャンルも多岐にわたっており、この号があれば、きっと心を奮い立たせてくれる自分だけの映画ヒーローを見つけられるはずだ。

 またこの号では、三池崇史監督最新作『一命』が公開されることを記念し、主演の市川海老蔵と監督のインタビューはもちろん、「この三池映画を観ろ!!」と題した特集で、膨大な数の三池作品からおすすめ作品を選出。『IZO』や『荒ぶる魂たち』、『ビジターQ』など、近年こそメジャー作品を手掛けることの多くなった三池監督のレアな作品群が紹介されており、まさに「秘宝」の名にふさわしい内容となっている。

 ほかにも『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』公開に合わせ、シリーズの歴史を教科書仕立てで振り替える「新しい猿の歴史教科書」(構成・文 尾崎一男+新しい猿の教科書をつくる会)や、第36回湯布院映画祭に登場した伝説の映画監督・曽根中生のインタビュー(取材・文 真魚八重子)、先月亡くなった『世界残酷物語』グァルティエロ・ヤコペッティ監督の追悼記事など、相変わらずの盛りだくさんぶり。暑い夏が終わり、人肌恋しい切ない気分になりがちな秋の夜長も、この1冊があればすぐに過ぎてしまいそうだ!?(編集部・入倉功一)

映画雑誌「映画秘宝」11月号 オレたちの選ぶ映画ヒーロー大集合!! 洋泉社刊は発売中(税込み:1,050円)

映画秘宝 2011年 11月号 [雑誌]/著者不明

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