映画.com より(以下一部抜粋)


>2011年ベルリン国際映画祭フォーラム部門で正式上映された「家族X」が9月24日、東京・渋谷のユーロスペースで封切られ、主演の南果歩、田口トモロヲ、郭智博、吉田光希監督が舞台挨拶を行った。

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 東京郊外の新興住宅地を舞台に、潔癖症の妻(南)がリストラ寸前の夫(田口)、就職浪人中の息子(郭)とのすれ違いを通し、次第に精神のバランスを崩す姿を描き、現代社会が抱える喪失感を浮き彫りにする。2008年ぴあフィルムフェスティバルで審査員特別賞を受賞した吉田監督が、第20回PFFスカラシップにより撮り上げた商業デビュー作だ。

 南は「外からは平穏に見える家族も、実際にはひとりひとりに別の社会や思考を存在する。家族ってあくまで一個人の集合体なんだと実感した」。撮影当時29歳だった吉田監督に「心の奥底にある“揺れ”を見つめ、そこから物語を紡ぎだそうとする深いまなざしをもっている。再会が楽しみ」と手放しの絶賛をおくった。

 田口も「若いのに人間の孤独な魂をしっかり見つめている。正直、監督の生い立ちを知るのが怖いくらいで、楽屋でも会話を避けていたほど」と若き天才にひれ伏したが、当の吉田監督は「さっき(上映後に行われた1回目の舞台挨拶)はうちの親が来ていたんで、このタイミングで言われて良かった。親が聞いたらひっくり返っているかも(笑)」。まさかの失言に、田口は平謝り。「次の出演はもうないな。でも成瀬巳喜男やジョン・カサベテスといった名匠の系譜にいる監督」と改めて敬意を表した。

 南と田口の絶賛に、吉田監督は「早く次回作を撮らなきゃなと思います」と決意表明。監督と同世代にあたる郭は「年齢が近いこともあって、僕の気持ちを尊重しながら演出してくれた。こんな作品をつくれる才能がうらやましい」と羨望のまなざしだった。

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