オリスタ より(以下一部抜粋)
> 9月に韓国、10月に台湾と、ソロとしては初の海外公演を終えた堂本光一。彼がこの『BPM』ライヴで手にした大きな手応えとは!? 今だから語れるパフォーマンスのウラ側から、旅の思い出まで、じっくり語っていただきました!!
■海外ならではの驚きと苦労も!
韓国・台湾ライヴを語る!!
――韓国、台湾での公演が決まったとき、光一さんとしてはどんなライヴにしようと思ってたんですか?
光一 今回の話はもともと、去年、日本で『BPM』のツアーを回っているときに、韓国の関係者の方が観て下さったことがきっかけだったんです。このライヴを韓国でもやってほしいっていう話をいただいたみたいで。まあ、その時点では“うん、うん”って聞いてただけなんだけど、それが本当に実現に至るのであれば、俺は喜んでやるよって。で、もしやるんだったら、なるべく日本と変わりない形でやりたいっていう思いでした。それが去年の段階です。
――実際、日本で行なっていたライヴをそのまま海外に持っていくっていうのは……。
光一 すごく難しい! たとえばムービング(照明)ひとつにしても、電圧や光量が違うわけだし。照明に関して言えば、そういう点も含め、向こうのものを使うしかないんですよ。一応、ムービング(照明)の打ち込みデータはあるにせよ、いろんな部分で違いが出てくるので。ちょっと言葉は悪いけど、自分たちが日本でやってきたことをそのままパクるような感覚って、スタッフが言ってました。細かいところまで計算して作り上げているライヴだから、ひとつでも上手くいかないことがあると、全体が崩れてしまう。海外のライヴについては、ステージに立つ人間よりも、仕込みをしてくれるスタッフの方が大変ですよね。
――ステージでも、日本とは勝手が違うところがあったと思うんですが。
光一 単純なところでは、ハケ口が違うとか。でも、“ハケる=着替える”っていうことだから、ハケ口を間違えたら、そこには着替えがないっていう。
――ミスは許されない、と。
光一 うん。まあ、(現地には)前日から入ってるから、そこはしっかり確認できたけど。
――実際のライヴについても聞かせてください。まず韓国ですが、あの凄まじい声援を受けたときは、どんな感じでした?
光一 ライヴをやるときはイヤモニターを使ってるから、ふだんは(歓声が)聞こえないことも多いんだけど、韓国のときはイヤモニターを抜けて入ってきたから。ビックリしましたよ、ホントに。まず、単純に“どういう反応するのかな?”っていう気持ちがあったんです。韓国は完全に初めてだったし、未知数な部分も多かったから。
――アルバム『BPM』は韓国でもリリースされて、多くのファンに支持されてたみたいですけどね。
光一 韓国でのリリースは今までなくて、今回が初めてだったんです。ただ、自分の想像を上回る歓声だったことは確かですね。たぶん、韓国の人たちはああいう曲調に慣れてるんでしょうね。いまはK-POPも盛んだし、曲に対するノリ方を知ってるんじゃないかな。韓国の音楽番組なんかを観てても、“え、そこでコールするんだ?”っていう盛り上がり方をしてたり。
――反応がダイレクトですからね。あれだけリアクションがあると、やりがいがありますよね。
光一 こっちの意図をちゃんと汲んでくれてるわけですからね。初見だった人がほとんどだと思うんですよ、きっと。DVD(『KOICHI DOMOTO CONCERT TOUR 2010 BPM』)を観たことがある人もいたかもしれないけど、実際に生で観たときに、また違った刺激を感じてくれてたんじゃないかって。
――台湾でのライヴはオールスタンディングでしたが、それは問題じゃなかったですか?
光一 お客さんは大変だったかもしれないけど、それより雨漏りしてたのは、ちょっと危なかったかな。お客さんで濡れた人もいると思うんだけど、やってる方はステージが濡れて、滑りやすくなってて。“ふぉーゆー”(ジャニーズJr.)が床を拭いてくれてたから(笑)。
■“国は関係なく、伝えることができた”
――公演を重ねれば重ねるほど、進化していく。もう少し続けたいって思ったりしないですか?
光一 え、このツアーを? うーん……。日本のファンからすれば“凱旋してほしい”って人もいるでしょうけど。まあ、どうなるかはわかんない(笑)。
――でも、ツアー全体の手応えはすごくあったんじゃないですか?
光一 日本でやってたときも、手応えはある程度感じていて。それがあったからこそ、最初に韓国公演の話をもらったときに、“やってみてもいいかな”って思えたんですよ。自分の音楽、ステージの演出、パフォーマンスというものがどんなふうに受け入れられるかは未知数だったけど、あれだけ反応してもらえると、“国は関係なく、伝えることができた”っていうことも感じられたし。それは大きな意味があると思いますね。
自ら座長を務める舞台『Endless SHOCK』が、2012年1月に初めての福岡・博多座で、そして2月~4月に東京・帝国劇場で、計4ヵ月のロングラン公演を行なう堂本光一。当インタビューはエンタテインメント情報誌オリ★スタ10/31号(10/21発売)に掲載中。